結論|最初に書くのは本文ではなく、5行のメモ
Makuakeの原稿を作ろうとして、編集画面やWordを開く。最初の数行は書けても、すぐに「次は機能を書くか、開発背景を書くか、写真を入れるか」で止まる。
このとき、文章力を上げれば解決するとは限りません。
止まりやすいのは、文章を書くたびに「次に何を説明するか」まで同時に決めているからです。
文章は、その5行に商品事実を入れていく段階です。
Makuake公式でも、プロジェクトページは用意されたテンプレートへ画像やテキストを入れることで作成できますが、魅力を伝えるページにはコツが必要と案内しています。また、ページ作りを進める前に「誰にどのような体験を提供したいか」を考えるよう説明しています。
さらにMakuake公式は、プロジェクトページ作成前に写真や文章など必要な材料を揃えることを案内しています。ここでいう材料と、完成原稿は分けて考えます。商品仕様、価格、写真、検査資料、開発背景は材料です。どの材料を、誰へ、何の説明として使うかが決まってから原稿にします。
Makuake公式:
プロジェクトページは“販売員”!作り込むためのコツ
プロジェクトページ作成〜公開までの流れを知りたい
原稿を先に書くと、1段落ごとに掲載順まで決め直す
商品について詳しい人ほど、原稿には入れたい情報が増えます。
機能、素材、開発背景、試験結果、受賞歴、使用方法、比較、会社紹介、リターン。どれも事実としては正しくても、全部を同じ強さで書くと、読者が最初に知りたいことは決まりません。
文章から始めると、段落を書くたびに次の作業が発生します。
- 何を次に書くか決める:機能、ストーリー、比較、証拠のどれを先に出すか毎回選ぶ。
- 前に書いた段落との重複を確認する:同じ特徴を別の言葉で何度も説明しやすくなる。
- 写真の置き場所を後から探す:写真が何を確かめるためのものか決まらず、装飾として追加されやすくなる。
- 重要度をデザイン工程で決め直す:原稿では全部が本文なので、デザイン初稿を見てから「ここをもっと前へ」と構成へ戻りやすい。
原稿作成が重くなるのは、文章を書く作業だけをしていないからです。文章を書く途中で、掲載順、重要度、証拠、写真の役割まで決めています。
商品資料を見たとき、「この情報はどの説明に使うか」を先に決め、書きながら掲載場所を探さない状態にすることです。
1|誰が、どんな場面でこの商品を必要とするのか
最初の一行は、年齢や性別だけではなく、商品が必要になる場面を書きます。
たとえば「30〜50代男性」では、何を原稿へ入れるべきか決まりません。
「外出中のスマートフォンの電池切れが不安だが、重いモバイルバッテリーは毎日持ち歩きたくない人」まで書くと、必要な説明が変わります。
この人に最初から会社沿革を長く説明するより、「毎日持ち歩けるか」「必要なときに充電できるか」の方が先に確認したい情報だと分かります。
ここで決めるのは、ページ全体のペルソナではありません。商品を見た瞬間に「自分の話だ」と感じやすい使用場面です。
2|今使っている選択肢で、何が残っているのか
次に、その人が今どう対処しているかを書きます。
同じ例なら、「大容量のモバイルバッテリーを持つ」「必要な日だけ持つ」「充電スポットを探す」などがあります。
ここで重要なのは、既存商品を悪く書くことではありません。
今の方法でもできていることと、それでも残る不便を分けます。
| 書き方 | 原稿で起きること |
|---|---|
| 「従来品は重くて使いにくい」 | 何と比べて、誰にとって困るのかを読者が補う |
| 「大容量は安心だが、毎日持つには重く、必要な日に家へ置いたままになる」 | 現在の利点を残したまま、未解決の場面が分かる |
この一行が決まると、商品説明の前に何を説明する必要があるかが見えてきます。
3|この商品を使うと、その場面で何が変わるのか
3行目で、商品の中心になる変化を書きます。
ここでは機能一覧を書きません。
「薄型」「軽量」「独自構造」「新素材」だけでは、読者はそれが自分の生活で何を変える情報なのかを考える必要があります。
先に、結果を書きます。
この結果が決まってから、「そのために薄い」「その厚みでも必要な容量を確保している」と機能をつなげます。
Makuake公式も、商品の機能やメリットだけでは、サポーターが自分の生活にどのような良い影響があるかを想像することは難しいとして、先に誰へどんな体験を提供したいかを考えるよう案内しています。
Makuake公式:
プロジェクトページは“販売員”!作り込むためのコツ
4|その変化を、何を見れば確かめられるのか
4行目は、文章ではなく確認材料を書きます。
たとえば「毎日持ち歩きやすい薄さ」を伝えるなら、候補になるのは次のような材料です。
- 厚みが分かる写真:手に持った状態、スマートフォンと重ねた状態、バッグへ入れた状態。
- 実測値:厚さや重量。比較する場合は、比較条件と対象をそろえる。
- 使用動画:取り出す、接続する、持ったまま使うといった実際の動作。
- 仕様:容量、対応端末、安全機能など、応援購入前に必要な事実。
先に証拠を決めると、「軽いです」「薄いです」と形容詞を増やす必要が減ります。
また、必要な写真がまだ撮れていないことにも原稿段階で気づけます。写真をいつ撮るか、必要カットをどう決めるかは、Makuakeの商品写真はいつ撮る?ページ構成から必要カットを決める方法で詳しく解説しています。
5|最後に、どのリターンを選ぶのか
5行目は、原稿を読んだ人が最後に選ぶリターンです。
商品説明だけ完成しても、単品、早割、2個セット、カラー違い、配送時期の違いが分かりにくければ、応援購入の直前で止まります。
原稿を書く前に、主に選んでもらいたいリターンと、そのリターンが合う人を一行で書きます。
「まず自分用に試す人は単品。自宅と職場で使う人は2個セット。どちらも内容物と配送時期を一読で比較できるようにする。」
この一行があると、本文で2個使う場面を見せる必要があるのか、単品中心で十分なのかも決まります。
リターンの種類・数量・価格差を決める順番は、Makuakeのリターン設計|種類・数量・価格差を決める5つの順番で整理しています。
一つの商品に「子育て」「アウトドア」「防災」など複数の用途があれば、「誰に必要か」だけでも候補が分かれます。さらに、準備時間が減る・持ち歩く荷物が減る・探す手間が減るなど複数の結果を同時に主役にすると、その後に必要な機能・写真・証拠・リターンも別方向へ分かれます。難しいのは5行を書くことではなく、複数ある商品事実の中から、何を主役として5行に残すかを決めることです。
5行が決まったら、見出しを置いてから本文を書く
5行が決まった後で、初めて文章を書きます。
ここでも、長い本文から始める必要はありません。
まず各行を、読者がその場所で知りたい内容が分かる見出しへ変えます。その下に、必要な商品事実と証拠だけを入れます。
| 5行メモ | 文章にするときの役割 |
|---|---|
| 誰が、どんな場面で必要か | 読者が自分に関係する商品か分かる |
| 今の何が残るか | なぜ新しい選択肢を見る必要があるか分かる |
| 何が変わるか | 商品を使う結果が分かる |
| 何で確かめるか | 写真・数値・仕様を何の説明として読むか分かる |
| どのリターンを選ぶか | 価格・内容・数量を比べて応援購入へ進める |
この順に材料を仕分けしておけば、文章を書きながら毎回「この機能はどこへ入れるか」を考えなくて済みます。
開発背景や実行者の想いも、削る必要はありません。商品を必要とする場面や、この商品で変わる結果とつながる部分を残します。
たとえば「3年間かけて開発した」という事実だけでは、読者は3年という期間を何の評価に使うか分かりません。「毎日持てる薄さと必要容量を両立するため、試作を繰り返した」とつなげれば、開発期間が商品結果の裏付けになります。
すでに原稿を書いたなら、書き直す前に5項目へ仕分ける
すでに数千字の原稿があっても、全部削除する必要はありません。
既存原稿を段落ごとに、先ほどの5項目へ仕分けます。
- 同じ項目に同じ意味の段落が複数ある:一つへ統合する。
- どの項目にも入らない:応援購入前に必要な情報か、会社側が言いたいだけの情報かを確認する。
- 「何が変わるか」はあるが証拠がない:写真、実演、数値、仕様で確かめられるか確認する。
- 機能ばかりで使用場面がない:その機能が、誰のどんな行動を変えるのかを追加する。
原稿を整える目的は、文章を上手に見せることではありません。読者が前の段落へ戻らず、次に必要な情報を読める状態にすることです。
原稿を自社で仕上げてデザインだけ外注するか、構成から任せるかを迷っている場合は、Makuakeで原稿支給と構成から任せる制作の違いをご覧ください。
自社で進めやすい状態と、構成から任せた方がよい状態
5行が一つに決まり、必要な証拠も揃っている案件は、自社で原稿を進めやすい状態です。
| 公開前の状態 | 次に進みやすい方法 |
|---|---|
| 「誰に必要か」「何が変わるか」が一つに決まり、必要な写真・数値・仕様も揃っている | 5行を見出しへ変え、自社で原稿を進めやすい |
| 用途が複数残り、誰を主役にするか決まらない | 文章を書く前に、主役と使用場面を決める必要がある |
| 伝えたい機能は多いが、どの結果の証拠として使うか決まらない | 機能・写真・数値の役割を先に決める必要がある |
| 単品・セット・早割のどれを主役にするかで本文の見せ方まで変わる | 価格・リターンと本文を別々に作らず、同じ判断から設計する必要がある |
文章作成で時間がかかる案件ほど、文章量が多いとは限りません。何を残し、何を主役にし、何を証拠として使うかという判断がまだ残っているため、書くたびにページの方向が変わります。
この判断まで決まっているなら自社でも進められます。判断が複数残っているなら、完成原稿を用意してから依頼するより、商品資料の段階から構成を決めた方が手戻りを減らせます。
原稿が止まったら、文章ではなく5行へ戻る
Makuakeの原稿で「何を書けばいいか分からない」とき、表現の言い換えを続けても次の文章は決まりません。
戻る場所は、白紙の本文ではありません。
この5行のうち、答えが曖昧な場所を先に決めます。
5行が決まれば、メーカー資料、仕様書、写真、検査結果、開発背景の置き場所が見えてきます。
文章は、商品について知っていることを全部書く作業ではありません。初めてページを見る人が必要な順に、確認できる事実を置いていく作業です。