結論|Makuakeは在庫リスクを減らせるが、MOQの差分までは消えない
Makuakeは、一般販売前に応援購入を受け付けられるため、需要を見てから量産しやすい販売方法です。
Makuake公式も、先行販売では「売れる見込み」を確認してから量産でき、在庫リスクを抑えやすいことをメリットとして挙げています。
ただし、工場や仕入先にMOQがある商品では、応援購入された数量だけを発注できるとは限りません。
MOQが500個で応援購入が320個なら、残る180個をどう扱うかまで決めて初めて在庫リスクを計算できます。
そのため公開前に見るべきなのは、単純な「売れるか」だけではありません。
最低発注数、SKU別の最低数量、発注時に必要な現金、MOQとの差分を一般販売で吸収できるかまで確認します。
Makuake公式:
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Makuake成功事例20選|ジャンル別に学ぶプロジェクト設計のポイント
1|最初に「MOQが何に対して設定されているか」を確認する
MOQは、見積書に「500個」と書いてあれば終わりではありません。
実際の発注条件では、商品全体、色、サイズ、型番など、どの単位に最低数量が設定されているかを確認します。
| 確認する条件 | 公開前に聞くこと |
|---|---|
| 商品全体のMOQ | 全色・全サイズを合計して最低数量を満たせばよいか |
| 色別MOQ | ブラック300個、ホワイト300個のように色ごとに最低数量があるか |
| サイズ別MOQ | S・M・Lなどサイズごとに最低数量があるか |
| 発注単位 | MOQを超えた後は1個単位か、50個単位などの刻みがあるか |
| 最低発注金額 | 数量とは別に、1回の注文金額にも下限があるか |
ここを曖昧にしたままリターンを作ると、応援購入数は足りているのに、特定の色だけMOQに届かないということが起こります。
2色の商品で合計500件の応援購入があっても、ブラック400件・ホワイト100件と分かれ、色別MOQが300個なら、ホワイトは200個分を余分に発注する必要があります。
総応援購入数だけで「MOQは超えた」と判断しないことが重要です。
2|MOQとの差分は、一般販売で持つ初期在庫として計算する
応援購入数がMOQを下回った場合、差分をすべて「失敗」と考える必要はありません。
一般販売へ進む商品で、その差分を初期在庫として販売できるなら、Makuake分と一般販売分を同じ発注にまとめる判断もできます。
たとえばMOQ500個、Makuakeで320個なら、差分は180個です。
| 数字 | 例 | 確認する意味 |
|---|---|---|
| MOQ | 500個 | 工場へ最低限発注する数量 |
| Makuakeで必要な数量 | 320個 | サポーターへ届ける分 |
| MOQとの差分 | 180個 | 一般販売在庫として持つ候補 |
ここで見るのは「180個ならそのうち売れるだろう」ではありません。
- 一般販売で180個を売る見込みがあるか:Makuakeの反応をそのまま一般販売需要へ置き換えない。
- 一般販売価格で利益が残るか:Makuake価格とは別に、一般販売で継続できる価格を確認する。
- 保管できるか:商品の大きさ、保管期間、倉庫費用を確認する。
- 追加発注までのリードタイム:初回で多めに持つか、一般販売後に追加発注するかを判断する。
Makuake公式の事例でも、先行販売で先に売上を立てて仕入れ数を決めたり、「先行販売→テストマーケティング→成功したら在庫を持つ」へ切り替えた企業が紹介されています。
重要なのは、Makuakeで売れた数量をそのまま一般販売需要とみなすことではなく、MOQとの差分を一般販売で持つ理由があるかを別に判断することです。
3|MOQを満たすために、目標金額や早割数量を逆算しない
MOQが大きいと、「500個売らないと発注できないから、Makuakeでも500個売れる計画にしよう」と考えたくなります。
ただ、工場の最低発注数と、Makuakeで実際に応援購入される数量は別の数字です。
500個必要だからといって、500件の需要が生まれるわけではありません。
供給条件に合わせて需要を大きく見積もるのではなく、需要を見積もった後でMOQとの差分をどう吸収するかを決めます。
Makuakeの目標金額も、MOQを満たすための販売ノルマと同じではありません。
目標金額をどう決めるかは、Makuakeの目標金額の決め方|売上目標とは分けて考える3つの基準で整理しています。
早割数量も、余っているMOQを消化するために増やすものではありません。初日に必要な応援購入人数と、売り切れ後の価格から決めます。
4|SKUが増えるほど、色・サイズごとの余剰在庫が増えやすい
色やサイズを増やすと、サポーターには選びやすく見えることがあります。
一方、MOQがSKUごとに設定される商品では、選択肢を増やすほど必要な最低発注数量が増える場合があります。
たとえば、色別MOQが300個の商品を3色展開すると、各色300個が必要なら合計900個です。
その状態で、応援購入が合計600件あっても、色別の数量によっては大量の差分が残ります。
「何色あれば売れやすいか」だけでなく、各色を追加したときに最低何個の余剰在庫が生まれうるかを同時に見ます。
色・サイズを増やした方がよいかは、選択肢の豊富さだけでなく、応援購入の分散とMOQの増加を含めて決めます。
リターンの種類・数量・価格差を決める順番は、Makuakeのリターン設計|種類・数量・価格差を決める5つの順番をご覧ください。
5|MOQとの差分を持つなら、発注前の現金まで確認する
MOQとの差分を一般販売在庫として持てるとしても、資金が足りなければ発注できません。
見るべきなのは、最終的に利益が出るかだけではなく、工場へいつ、いくら支払う必要があるかです。
- 発注時の前金:量産開始前に何%必要か。
- 残金支払時期:出荷前、船積み前、納品後など、いつ現金が必要か。
- MOQ差分の原価:Makuake分以外に何個分の仕入資金を先に持つか。
- 輸送・検品・関税等:商品代以外に、数量増加で増える費用がいくらか。
Makuakeは先行販売で資金を確保しやすい仕組みですが、製造・輸入の支払条件とMakuakeからの入金時期が完全に一致するとは限りません。
入金前の資金ギャップは、Makuakeで応援購入が集まっても資金不足になる理由|入金前のキャッシュフローで詳しく解説しています。
公開前は、MOQをこの5項目へ分けて確認する
| 確認項目 | 公開前に決めること |
|---|---|
| 1. MOQの単位 | 商品全体か、色・サイズ・型番ごとか |
| 2. 想定応援購入数 | MOQから逆算せず、需要側から数量を見積もる |
| 3. MOQとの差分 | 一般販売初期在庫として何個持つことになるか |
| 4. 差分を吸収できる条件 | 一般販売需要、利益、保管、追加発注の条件が成立するか |
| 5. 発注前の現金 | MOQ分を発注するために、いついくら必要か |
その利点を活かすには、MOQを「満たすべき販売目標」ではなく、需要が見えた後に処理する供給条件として扱います。
Makuake終了後の追加発注を決めるときは、Makuake終了後の在庫・追加発注をどう決める?応援購入実績を発注数へそのまま置き換えないもあわせてご覧ください。