結論|Makuakeの失敗は、公開後より公開前に決まる
Makuakeで失敗したくないなら、最初に確認したいのは「ページを作れるか」ではありません。
「誰に、何を理由に、今この商品を応援購入してもらうのか」を公開前に決められているかです。
Makuakeには、申込み、審査、ページ入稿、公開日の調整といった掲載までの工程があります。しかし、掲載できる状態と、応援購入される状態は別です。
Makuakeで必要なのは、「何を掲載するか」ではなく「なぜ今この商品を選ぶのか」を公開前に設計することです。
落とし穴1|Makuakeに向く商品かを確認せず、掲載することから始める
最初の失敗は、ページ制作より前に起きます。
たとえば、Amazonや楽天でも似た商品が同じ価格帯で買える、既存商品の色やサイズを変えただけ、機能を少し増やしただけ、発売前という以外に「今Makuakeで買う理由」がない。この状態でページ制作へ入ると、後から文章や写真で差を作ろうとすることになります。
しかし、ページは商品にない購入理由を後付けする場所ではありません。まず「この商品をMakuakeで先に買うと、誰の何がどう変わるのか」を一文で言えるか確認します。
落とし穴2|機能を全部書けば、商品の良さが伝わると思う
初めてMakuakeページを作ると、まずやりがちなのが「商品の良いところを全部書く」ことです。
「軽い」「高性能」「折りたためる」「素材にこだわった」「独自技術を使った」。どれも事実でも、機能を順番に並べただけでは、読者は「だから自分は、なぜ今これを買うのか」を決められません。
たとえば「従来品より30%軽い」という仕様を出すなら、その前に、それが「毎日持ち歩く負担を減らす」のか、「片手で扱いやすくする」のかを決めます。同じ数値でも、強める購入理由が違えば見せ方は変わります。
機能は購入理由ではありません。購入理由を証明する材料です。
落とし穴3|開発者の想いや苦労を書けば、共感して買ってもらえると思う
Makuakeでは開発背景を伝えられるため、「なぜこの商品を作ったのか」「何年かけて開発したのか」「どれだけ苦労したのか」を丁寧に書きたくなります。
しかし、開発者の想いが強いことと、読者がその商品を必要とすることは別です。
読者がまだ「これは自分に必要だ」と判断していない段階で長い開発ストーリーを読ませても、商品の必要性ではなく「作った人の話」として読まれて終わることがあります。
開発背景は不要なのではありません。先に読者自身の使用場面や欲求を示し、「だからこの商品が必要だった」とつながった後に出すから、想いが購入判断を補強します。
落とし穴4|写真とデザインをきれいにすれば、売れるページになると思う
プロに撮影してもらい、デザイナーに整えてもらえば、ページの見栄えは良くなります。しかし、何を一番の魅力として見せるのかが決まっていなければ、完成するのは「きれいな商品カタログ」です。
冒頭では機能A、動画では機能B、本文では開発者の想い、後半では安さを押す。個々の素材が良くても、読者は途中で何度も「結局、何が一番いい商品なのか」を判断し直すことになります。
写真、コピー、動画、デザインの役割は、それぞれ別の魅力を追加することではありません。先に決めた一番強い購入理由を、具体場面・証拠・使用結果で確定していくことです。
でも、それだけでは商品説明です。
売るためには、「誰が、どんな場面で、なぜ今この商品を選ぶのか」を先に決め、その理由に必要な情報だけを並べる必要があります。
落とし穴5|公開してから集客を考える
公開日を「ページ完成の日」として工程を組むと、集客は公開後に考える仕事へ押し出されます。
その結果、公開日に初めてSNS投稿を考える、LINE配信文を前日に作る、広告素材をページ公開後に作る、既存顧客へ誰に知らせるか決めていない、という状態になります。
公開後に「思ったより人が来ない」と気づいても、初日の勢いを作る時間は戻りません。公開日時から逆算して、誰に、いつ、何を知らせるかを先に決めます。
ただし、集客だけ増やしても、ページが「想い+機能+写真」の商品説明のままなら応援購入にはつながりません。広告やSNSで見せた購入理由と、ページ冒頭で見せる購入理由を同じにする必要があります。
落とし穴6|応援購入総額だけを見て、採算を後回しにする
Makuakeでは応援購入総額が大きく表示されるため、その数字を成功指標にしやすくなります。
たとえば、「目標500万円を超えれば成功」とだけ決める、管理画面の応援購入総額だけを毎日見る、手数料・原価・送料・広告費を別々に管理して合算していない。この状態では、売上が伸びても利益が残るかを途中で判断できません。
応援購入総額が大きくても、原価、送料、手数料、広告費、制作費などを差し引いて利益が残らなければ、事業として成功したとは言い切れません。
公開前に、目標金額だけでなく、何個売れれば固定費を回収できるか、1件増えるごとにいくら利益が残るか、広告費をどこまで使えるかまで確認します。
落とし穴7|Makuakeで売れれば、そのまま一般販売でも売れると思う
Makuakeで数字が出ると、「商品力が確認できたから一般販売でも同じように売れる」と判断しやすくなります。
そのまま進めると、Makuakeで使ったキービジュアル、先行販売の訴求、早割の見せ方、開発ストーリーを、楽天・Amazon・自社ECへほぼそのまま移すことになります。
しかし一般販売では、購入者は「新しいから応援する」だけでなく、競合商品の価格、レビュー件数、配送条件、ブランド認知などと比較します。
だから公開前から、「Makuakeで何を検証するか」「一般販売では何を作り直すか」を決めておきます。Makuakeで売れたページを残すのではなく、売れた理由のうち、一般販売でも残るものを持ち越すという考え方です。
7つを知っているだけでは、失敗は避けられない
ここまで読むと、「では7項目を社内で確認すればいい」と思うかもしれません。
重要なのは、項目を知っていることではなく、一つの購入理由を決め、その理由をページ全体へ通せるかです。
たとえば「忙しい朝の準備時間を短くできる商品」と決めたのに、キービジュアルでは高級感、動画では耐久性、本文では開発者の苦労、後半では安さを一番強く押しているなら、情報は多くても購入判断はつながっていません。
読者は、画像が変わるたびに「高級だから買うのか」「丈夫だから買うのか」「想いに共感して買うのか」「安いから買うのか」を判断し直します。
| 自社で起きている状態 | ページ上で起きること | 公開前に決めること |
|---|---|---|
| 機能を全部載せる | 何が一番の購入理由か決められない | 最初に押す一つの価値 |
| 開発者・撮影・デザイナーが別々に「良いところ」を足す | 画像・動画・本文で主張が変わる | 全員が共通して強める購入理由 |
| ページ完成後に集客を考える | 初日の告知先・広告素材が間に合わない | 公開日から逆算した初動 |
| 応援購入総額だけを見る | 売れてから利益不足に気づく | 手数料・原価・送料・広告費を含む採算 |
自社で進めるか、支援を入れるかは「誰が販売設計をするか」で決める
自社で進めてよいかは、「制作できる人がいるか」ではなく、次の判断を誰がするかで確認します。
- この商品をMakuakeで出すべきかを誰が判断するか。
- 誰に、どんな場面で欲しいと思ってもらうかを誰が決めるか。
- 一番何を押すか、最初の画像で何を見せるかを誰が決めるか。
- 本文で何を説明し、何を証拠として見せるかを誰が決めるか。
- 公開初日に誰へ知らせ、何人の応援購入を作るかを誰が決めるか。
- 何個売れれば利益が残るかを誰が計算するか。
- Makuake終了後に何を一般販売へ持ち越すかを誰が決めるか。
この7つを一人または一つのチームで決め、その答えを撮影・コピー・デザイン・動画・広告へ共有できるなら、自社で進めても問題ありません。
逆に、審査担当、撮影担当、デザイナー、広告担当はいても、上の7つを最初に決める人がいないなら、制作作業は埋まっていても「何を売れる理由にするか」を決める工程が空いています。
支援会社を選ぶときは、撮影枚数や動画本数だけでなく、この7つの判断のどこまでを担当するのかを確認してください。
60プロジェクトで見てきたのは、ページの前にある判断です
私はMakuakeで、全60プロジェクト、平均応援購入額710万円、累計4億円超、最高6,600万円、総合1位3回の案件を担当してきました。
60プロジェクトを担当する中で、ページ制作前に繰り返し確認してきたのが、誰に、どんな場面で欲しいと思ってもらうか、最初に何を見せるか、本文で何を納得させるかという判断です。
デザインや動画は重要です。ただし、それらは決まった購入理由を強く伝える手段です。購入理由そのものが曖昧なまま制作量だけを増やしても、判断は強くなりません。
掲載準備より前に、この担当が決まっているかを確認してください。