結論|平均応援購入単価は、先に「1万5,000円」と決める数字ではない
Makuakeの売上計画を作るとき、「平均応援購入単価をいくらにすればいいか」と考えることがあります。
しかし、平均応援購入単価はリターン一覧に入力する価格ではありません。単品、2個セット、上位リターンを、それぞれ何人が選んだかの結果として決まる数字です。
「この商品を2個、3個と欲しくなる人は誰か」を先に確認し、その人数をリターン構成へ落とします。
Makuake公式も、セット割について「リターンの購入単価を引き上げられる」と説明しています。ただし同時に、単品の割引価格と比べたとき、サポーターが「複数買っておいた方がお得」と感じるかを確認することが重要だとしています。
つまり、平均単価は価格だけでは決まりません。複数個を選ぶ使用場面と、その使用場面を持つ人の割合まで決めて、初めて見積もれます。
Makuake公式:
リターン設計のテクニック「早割」と「セット割」の使い方
平均応援購入単価は「リターン価格×選ぶ人数」で計算する
公開前の平均応援購入単価は、各リターンを何人が選ぶかという仮説から計算します。
たとえば、一般販売予定価格が1万5,000円の商品で、Makuakeでは次の3つを用意するとします。
| リターン | 価格 | 想定人数 | 想定応援購入額 |
|---|---|---|---|
| 単品 | 11,800円 | 60人 | 708,000円 |
| 2個セット | 21,800円 | 30人 | 654,000円 |
| 上位セット | 29,800円 | 10人 | 298,000円 |
| 合計 | ― | 100人 | 1,660,000円 |
この場合、想定する平均応援購入単価は1万6,600円です。
高いリターンを用意しただけではなく、「30人が2個セットを選ぶ」という人数仮説まで置くことで計算できます。
もし2個セットを選ぶ人が想定より少なく、ほぼ全員が単品を選べば、平均単価は1万1,800円に近づきます。
この差は、必要サポーター数にそのまま影響します。300万円を目指す場合、平均1万6,600円なら約181人ですが、平均1万1,800円なら約255人が必要です。
だから平均単価の見積もりは、売上の見栄えを作るためではなく、「何人に応援購入してもらう必要があるか」を公開前に現実的な人数へ変換するために使います。
目標金額と必要人数の関係は、Makuakeの目標金額の決め方|売上目標とは分けて考える3つの基準、公開初日の人数は、Makuake公開初日の目標はどう決める?応援購入人数から事前準備を逆算する5ステップで整理しています。
2個セットを置く前に、「2個必要になる使用場面」があるかを見る
平均単価を上げたいからといって、すべての商品に2個セットを作ればよいわけではありません。
複数個が必要になる場面は、大きく次の4つに分けられます。
- 同じ家庭で複数人が使う:夫婦、親子、家族それぞれが1個ずつ使う。
- 同じ人が複数の場所で使う:自宅と職場、自宅と車、家と旅行用などに分ける。
- 自分用と贈り物に分ける:家族、親、友人へのプレゼントとして複数個を選ぶ。
- 消耗・交換を見越して持つ:使い切り、洗い替え、予備として複数個を確保する。
逆に、1世帯に1台あれば十分な大型家電や、同じ人が2個持つ理由の薄い商品では、セットを作っても選ばれにくくなります。
このとき「2個セットは20%OFFだからお得です」と割引だけで押すと、サポーターには「2個も必要ない」が残ります。
その場面が商品特性とサポーターの生活に自然に存在するとき、セット価格が平均単価へつながります。
Makuake公式のサポーター調査でも、Makuakeでの購買は安さや効率だけでなく、知らなかった商品との出会いや、新しさ・めずらしさ、実行者への共感などが重視されると報告されています。
そのため、平均単価を上げるために値引きを深くするだけでは不十分です。商品自体の「欲しい」が成立したうえで、複数個を持つ具体的な理由を追加します。
Makuake公式:
応援購入サービス「Makuake」サポーター調査から紐解く、EC市場での新たな購買価値観
高いセットを増やしても、選ぶ人が増えなければ平均単価は上がらない
平均応援購入単価を上げたいと考えると、高額なリターンや種類を増やしたくなることがあります。
しかし、5万円、10万円の高額リターンを追加しても、ほとんど選ばれなければ平均単価への影響は小さいままです。
見るべきなのは、リターンの最高価格ではなく、100人のうち何人が単品を選び、何人がセットを選ぶかです。
| 変更 | 平均単価への影響 | 公開前に確認すること |
|---|---|---|
| 高額リターンを1つ追加 | 選ばれなければ小さい | その価格を選ぶ具体的な人がいるか |
| 2個セットを追加 | 複数個需要があれば大きい | 夫婦・場所違い・贈答などの使用場面があるか |
| セットの割引率を深くする | 選択率は上がる可能性がある | 粗利を落としてまで増やす意味があるか |
| 単品とセットの価値差を明確にする | 選択率を変えやすい | 2個目の用途が一読で理解できるか |
Makuakeでは複数のリターンを設定でき、公式ヘルプでは5〜10個を推奨しています。また、同じプロジェクト内の複数リターンを1回の申込みでまとめて応援購入することはできず、複数個が必要な場合はセットリターンが用意されていることがあります。
だからこそ、複数個需要がある商品では、単品を2回買わせるより、最初から用途が分かるセットを用意した方が判断しやすくなる場合があります。
Makuake公式:
複数のリターンを設けることは可能ですか?
複数のリターンをまとめて応援購入したい
公開前は、この5つを決めれば平均応援購入単価を見積もれる
- 単品の基準価格:一般販売予定価格と利益から、Makuakeで単品をいくらにするか決める。
- 複数個の使用場面:夫婦、家族、複数の場所、贈答、予備など、2個目・3個目が必要になる理由を確認する。
- リターン別の想定人数:100人来たら何人が単品、2個セット、上位リターンを選ぶか仮説を置く。
- 加重平均:価格と想定人数を掛けて総額を出し、想定サポーター数で割る。
- 必要サポーター数:目標とする応援購入総額を平均応援購入単価で割り、必要人数と事前集客計画が現実的か確認する。
この順番なら、「平均単価を1万8,000円にしたいから高いセットを増やす」という設計にはなりません。
先に商品と使用場面を見て、次に誰がどのリターンを選ぶかを置き、その結果として平均単価を出します。
リターン全体の種類・数量・価格差の決め方は、Makuakeのリターン設計|種類・数量・価格差を決める5つの順番、早割の数量と価格差は、Makuakeの早割は何%・何個にする?初日と売り切れ後から逆算する決め方で詳しく解説しています。
単品・セットを何人が選ぶかを設計し、その結果を見積もって必要サポーター数へつなげます。