一般販売価格は、「Makuake価格に何%上乗せするか」では決まらない
Makuakeでは、一般販売前の先行購入として、超早割・早割・Makuake割など複数のリターン価格を設定できます。Makuake公式も、最も割引率が低く一般販売価格に近いリターンを「Makuake価格」として設定する方法を紹介しています。
そのため、プロジェクト終了後に見るべき数字は1つではありません。
「割引率を戻す作業」ではなく、Makuake期間中の購入条件・配送後の保護条件・一般販売価格を接続する作業です。
1|まず、配送完了後3か月の「下げられない範囲」を確認する
Makuakeでは、リターン配送完了から3か月間、当該商品・役務等をプロジェクトページに記載された最も割引率の低い価格より安く販売・提供しないことが遵守事項として定められています。
自社で一般販売する場合だけでなく、配送完了後3か月以内に一般消費者へ販売する第三者へ卸す場合も、一般消費者への販売価格がMakuake上の価格より高くなるよう卸売価格を設定することが求められています。
また公式は、本体価格だけでなく送料等の諸費用も考慮し、サポーターへ不利益が生じないよう配慮するよう案内しています。
その条件を確認したうえで、一般販売で利益が残る通常価格を別に計算します。
2|一般販売予定価格を、そのまま通常価格に固定しない
Makuakeページには一般販売予定価格を示すプロジェクトがあります。これはMakuakeの割引率を説明するときの基準にも使われます。
ただし、一般販売に移ると販売経路と費用構造が変わります。
- 商品原価・輸入費・関税等
- モール出店料・システム利用料・販売手数料・決済費
- 倉庫保管・出荷・送料等の物流費
- ポイント・クーポン・セール等の販促原資
- 広告費
- 返品・交換・問い合わせ対応等の販売後コスト
楽天市場には出店料やシステム利用料、決済、ポイント等の費用があり、Amazonも販売手数料や利用する配送方法に応じた費用があります。自社ECも決済・システム・広告・物流等の費用が発生します。
したがって、Makuake上の一般販売予定価格を基準の一つとして残しながら、実際の販路で継続できる採算を計算します。
3|「値上げするか」より、一般販売で必要な通常価格を先に出す
Makuakeで示した一般販売予定価格より、一般販売に必要な価格が高くなる場合もあります。
原価、為替、物流費、販売経路等が変われば、Makuake実施時に想定した価格条件と一般販売開始時の条件が一致しないことがあるためです。
実際にCOFO Chair Pro 2では、一般販売開始時に、社会情勢等による原価高騰を理由としてMakuake先行予約時に提示していた価格から定価を変更したことを公表しています。
一般販売を続けるために必要な通常価格を計算し、その価格とMakuakeで示した価格の差を確認します。
差が出た場合は、原価や物流等の変更理由、商品仕様の変更有無、Makuakeで示した一般販売予定価格との関係を整理します。
値上げそのものを避けるために、一般販売で必要な費用を価格へ反映できず、販売を続けられなくなる方が問題です。一方で、根拠の説明なく予定価格を変更すれば購入者の価格認識とずれるため、変更理由を事実に基づいて示します。
4|通常価格と、ポイント・クーポン・セール価格を分ける
一般販売では、商品ページ上の通常価格だけでなく、ポイント、クーポン、セール、送料条件などによって購入者の実質負担が変わります。
配送完了後3か月以内にクーポン・ポイント・セールを行う場合は、Makuakeの価格条件と合わせて確認します。
Makuake公式は配送完了後の価格決定について送料等の諸費用も考慮するよう求めています。ポイントやクーポン等を含む個別施策が価格条件にどう扱われるか判断が難しい場合は、施策実施前にMakuakeへ確認します。
5|3か月経過後は、「値下げできる」と「値下げすべき」を分ける
Makuake STOREの公式案内では、リターンお届け完了から3か月以上経過後は価格変更が可能とされています。
ただし、ここでも「価格を下げられるようになったから下げる」とは限りません。
- 現在の通常価格で必要な粗利が残っているか
- 競合商品と比較したとき、価格差を説明できるか
- クーポン・ポイント・広告を使った後も利益が残るか
- セールを繰り返さなくても購入される商品ページになっているか
- 値下げした場合、既存購入者との価格差をどう説明するか
3か月経過後は、Makuakeの価格保護から一般販売の価格運用へ完全に移ります。ここからは、競合価格だけではなく、利益と購入理由の両方を見て通常価格・販促価格を調整します。
一般販売価格は、3つの期間で管理する
この3期間を分けると、Makuakeで設定した割引率を一般販売まで引きずらずに済みます。
一般販売で見るのは、「Makuakeで何%OFFだったか」より、通常価格で利益が残り、その価格でも購入理由が成立するかです。
Makuake価格から一般販売価格へ移す|確認順
- Makuakeのリターン価格と、一般販売予定価格を分けて確認する
- 配送完了日を確認し、3か月間の価格保護条件を把握する
- 一般販売先ごとの手数料・物流・広告・販促費を入れて必要な通常価格を出す
- Makuakeで示した予定価格との差がある場合、理由と表示を整理する
- 通常価格とポイント・クーポン・セール等の販促価格を分ける
- 3か月経過後は、一般販売の採算・競合・購入率を見て価格を更新する
Makuake後の一般販売価格は、「Makuakeより高くするか、安くするか」だけの問題ではありません。
先行購入価格、サポーター保護期間、一般販売の通常価格、販促価格では役割が違います。
それぞれを分け、Makuakeの条件を守りながら、楽天・Amazon・自社ECで継続して販売できる価格へ移行します。
Makuakeの早割・Makuake価格の考え方、配送完了後3か月間の価格条件、送料等も含めたサポーター保護についてはMakuake公式情報を確認しています。一般販売先の費用構造は楽天市場・Amazonの公式料金ページを確認しています。「通常価格と販促価格を分け、販路費用から必要価格を出す」部分は、本記事のEC実務上の判断です。
Makuake公式|早割・Makuake価格の設計
Makuake公式|配送完了後3か月間の一般販売価格
Makuake STORE|商品の販売価格について
楽天市場公式|出店プランと費用
Amazon公式|料金プラン・販売手数料
一般販売事例|COFO Chair Pro 2の定価変更