結論|配送予定月は「工場の完成予定」ではなく、サポーターへ発送できる日から決める
Makuakeの配送予定月を決めるとき、「工場が10月に完成予定だから11月配送」のように考えると、後工程が抜けやすくなります。
工場で商品が完成しても、その日にサポーターへ発送できるとは限りません。
量産品が完成し、必要な検品を通り、輸送・通関・国内入庫を終え、個別発送できる状態になる月です。
Makuake公式も、応援購入後に製造が進む商品では、部材調達、生産能力、金型、輸送などの想定外が配送遅延につながる場合があると説明しています。また、想定以上の応援購入によって製造・配送が計画通りに進まない場合もあるため、最初から余裕のあるスケジュールを検討するよう案内しています。
したがって、公開前に「何月に届けたいか」から日程を作るのではなく、発送までに通過する工程を並べ、それぞれの完了条件と所要期間を確認して配送予定月を決めます。
Makuake公式:
Makuakeでリターンが届かない・連絡が取れないときに確認したいこと
はじめてのMakuake|クラウドファンディング型ECの始め方と成功のコツ
1|まず「商品完成」から「個別発送」までの工程を全部出す
最初に、商品が工場を出てからサポーターへ発送できるまで、誰が何をするかを並べます。
| 工程 | 確認すること |
|---|---|
| 量産 | 部材は揃っているか、量産開始条件は何か、想定数量を生産できるか |
| 検品 | 誰が、どこで、何を確認し、不良発生時にどう処理するか |
| 輸出・国際輸送 | 工場から港・空港への搬入、出発待ち、輸送方法を含めて何日必要か |
| 通関・国内搬入 | 必要書類、検査の有無、国内倉庫へ入庫するまで何が残るか |
| 出荷準備 | 入庫後の検数、梱包、送り状、個別発送を何件処理できるか |
商品によって工程は変わります。国内製造なら国際輸送・通関はありませんし、工場で全数検品して国内では入庫確認だけという場合もあります。
重要なのは、一般的な工程表をそのまま使うことではなく、その商品の発送までに本当に発生する工程だけを漏れなく出すことです。
2|各工程は「何日かかるか」より先に「何が終われば次へ進めるか」を確認する
工程表を作ると、すぐ「検品3日、船便○日」のように日数を入れたくなります。
しかし、開始条件が決まっていなければ、その日数は動きます。
- 量産開始:最終仕様の承認後か、発注金の入金後か、部材入荷後か。
- 検品開始:全数完成後か、ロットごとに順次できるか。
- 輸送開始:検品合格後すぐ出せるか、便の予約・集荷待ちがあるか。
- 国内出荷開始:倉庫へ到着した日から出せるか、入庫処理やセット組みが必要か。
「量産は30日です」ではなく、「何が確定した日から30日なのか」を確認します。開始条件が未確定なら、30日後の完成日も確定しません。
配送予定月を安定させるには、各工程の所要期間と開始条件をセットで確認します。
3|検品は「発送前の確認」ではなく、予定が動く工程として入れる
検品を工程表に入れていても、予定上はほとんど時間を取っていないケースがあります。
しかし検品で不具合が見つかれば、良品・不良品の選別、再検品、部品交換、再製造などが必要になる場合があります。
つまり検品は、商品が完成したことを確認するだけではありません。予定どおり発送できる数量が確定する工程です。
| 検品前に決めること | 予定月への影響 |
|---|---|
| 検品対象 | 全数か抜き取りかで作業量が変わる |
| 合格基準 | 何を不良とするかが曖昧だと判定が止まる |
| 不良時の処理 | 交換・修理・再製造のどこへ戻るかで日程が変わる |
| 予備数 | 不良分を予備在庫で置き換えられるかで再製造の要否が変わる |
特に新商品では、試作品で問題がなくても量産時に同じ結果になるとは限りません。検品を予定から消さず、問題が出た場合にどこへ戻るかまで確認します。
4|海外製品は「輸送○日」ではなく、日本の倉庫へ入るまでを分ける
海外製品では、国際輸送の日数だけを見て配送予定月を決めると前後工程が抜けます。
実際には、工場から出荷地点への搬入、輸出手続き、便の出発、国際輸送、日本側の通関、国内倉庫への搬入までがあります。
どこからどこまでの日数なのかを確認して、工程の抜けをなくします。
さらに商品によっては、輸入時に必要な検査・表示・書類確認があります。これらが必要な案件では、単なる物流日程ではなく、販売できる状態になるまでを予定へ入れます。
5|想定以上に応援購入された場合、数量が増えても同じ日程か確認する
公開前の予定は、想定数量を前提に作られています。
ところが応援購入数が大きく上振れすると、量産能力、検品量、梱包数、個別出荷件数も増えます。
Makuake公式も、想定を超える応援購入による生産能力の限界が配送遅延につながる場合があると説明しています。
- 工場:想定数量を超えても同じ納期で作れる上限は何個か。
- 検品:数量が2倍になったとき、検品日数も増えるか。
- 物流:輸送方法や積載条件が変わる数量はあるか。
- 個別発送:倉庫が1日に処理できる件数はいくつか。
「売れたら追加生産すればいい」ではなく、どの数量を超えると配送予定が変わるかを公開前に確認しておくと、リターン数量の設計にも使えます。
6|「余裕を持たせる」は、根拠なく数か月足すことではない
遅延を避けるために「念のため2か月余裕を持たせる」と決めても、その2か月に根拠がなければ予定の精度は上がりません。
余裕を持たせる場所は、日程が動く可能性のある工程です。
- 部材調達:納期が確定していない部材がある。
- 量産:初回量産で、生産能力や歩留まりに不確定要素がある。
- 検品:不良発生時に再製造へ戻る可能性がある。
- 輸入:便・通関・検査など自社だけでは日程を固定できない工程がある。
すべての工程へ均等に余裕を足すのではなく、不確実性がある工程を特定して予定へ反映します。
7|公開前に、遅延が起きたときの連絡条件まで決めておく
どれだけ事前に設計しても、製造や輸送では予定変更が起こる場合があります。だから公開前に、どの状態になったら「遅延の可能性あり」と判断し、誰が確認して情報共有するかまで決めておきます。
遅延が確定するまで待つのではなく、予定が動く可能性を把握した段階で対応できる状態にしておくことが重要です。
Makuake公式は、配送遅延の可能性が発生した段階で可能な限り速やかに活動レポートを投稿し、配送予定直前の報告を避けるよう案内しています。
変更後の配送予定がまだ確定していない場合でも、遅延理由・経緯と現状を早めに共有することが求められています。公開前に「どの工程が止まったら確認するか」「誰が実行者側で判断するか」を決めておけば、公開後に連絡判断そのものから作り直さずに済みます。
Makuake公式:
リターンの仕様変更や配送遅延、プロジェクトの中止等が発生した場合
活動レポートにはどんな内容の投稿をしますか?
公開前は、この順番で配送予定月を決める
| 順番 | 決めること |
|---|---|
| 1. 工程を出す | 量産から個別発送まで、その商品に必要な工程を並べる |
| 2. 開始条件を確認する | 各工程が何を待って始まるのかを確定する |
| 3. 所要期間を入れる | 工場・検品会社・物流会社・倉庫の実際の条件を入れる |
| 4. 数量上振れを確認する | 何個を超えると生産・検品・発送日程が変わるかを見る |
| 5. 不確実な工程へ余裕を入れる | 日程が動く理由のある場所へ余裕を置く |
| 6. 発送可能月を記載する | 希望月ではなく、ここまで積み上げて出た月をページへ載せる |
「いつ発送できる状態になるか」を工程ごとに積み上げ、その結果を配送予定月にします。