ランキング1位を載せた。警戒された。

「権威性があれば信頼されて買われる」と考えた。ランキング1位のバッジをファーストビューに大きく入れた。受賞歴も追加した。

転換率は変わらなかった。ヒートマップを確認した。バッジのあたりで止まっている人が少なかった。

楽天の検索一覧を開いて確認した。ランキング1位やベストセラーバッジをつけている商品が何件も並んでいた。来た人の目には、全員が1番に見えている状態だった。

証拠のインパクトが弱かったわけでも、権威性の見せ方が悪かったわけでもありません。
楽天で多くの商品がランキングバッジや受賞歴を掲示しているため、来た人はバッジを見ると「本当かどうか確かめなければ」という気持ちになりやすくなっています。証拠が増えるほど、来た人の確認作業が増えていきます。

EC業界では長年、「客観的な証拠(実績・権威性・エビデンス)を積み重ねることが転換率を上げる正しい手順だ」という流れで語られてきました。制作会社も、コピーライティングの教科書も、その方向で説明してきました。

だから、まず証拠を増やすのは自然です。ただ、そのまま続けると、転換率が止まっている場所は見えないまま残ります。

エビデンスを並べた。読まれなかった。

「数値で示せば信頼度が上がる」と考えた。成分量のグラフ、臨床試験の結果、専門家の推薦文を縦に並べた。ページが長くなった。

スクロール率を確認した。エビデンスのセクションに入る前に離脱している人が多かった。ページ滞在時間は維持されているが、その後カートに進む人が増えていなかった。

エビデンスは来た人が「この商品でよさそうだ」と感じた後に、確信を補強する情報として機能します。その前の段階で来た人がまだ「選ぶ理由」を受け取れていない状態では、エビデンスを見ても「自分に関係があるかどうか」が分からないまま離脱しやすくなります。

エビデンス・実績証拠が機能するとき・しないとき
証拠が機能するとき
来た人がすでに「この商品でよさそうだ」と感じた後、証拠がその感覚を補強する場面。「やっぱりこれで合っている」という確認として機能する
証拠が機能しないとき
来た人がまだ「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていない状態。証拠を見ても「自分に関係があるかどうか」が分からず、情報量だけが増えて離脱しやすくなる

証拠を増やすほど、来た人が「どの証拠が自分に関係あるか」を確認しなければならない量が増えます。その作業量が増えるほど、決断を後回しにしやすくなります。

証拠が増えるほど、決められなくなる

楽天で来た人は、複数のページを並べて比べている。価格、レビュー件数、成分量、受賞歴。確認する数字が増えるほど、最終的にどれで決めればいいかが分からなくなっていく。

長いスクロールの末に、来た人がたどり着く判断は「よく分からないから価格とレビューの多いほうにしよう」になりやすい。

証拠を増やしたときに起きること
証拠を増やして変わること
ページの情報量が増える。すでに「この商品でよさそうだ」と感じている人への裏付けが厚くなる
証拠を増やすと起きやすいこと
来た人が確認しなければならない情報量が増える。「どれが自分に関係するか」が分からないまま比較が続く。最終的に価格とレビュー件数だけで決まりやすくなる
「より強い実績・専門家の推薦を追加する」について。
権威性の高い実績や専門家の推薦を追加することは、商品の信頼性を補強する作業として有効です。ただ、来た人がまだ「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていない状態では、権威性が追加されても転換率は動きにくいままです。追加する前に、今のページで転換率が止まっている場所を見ることが先になります。

証拠より先に、選ぶ理由が届いていない

転換率が証拠を増やしても動かない場合、証拠の量ではなく、証拠より前の場所で止まっています。

来た人が「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていれば、証拠がその確信を後押しする情報として機能します。その状態ができていないまま証拠を積んでも、来た人の確認作業が増えるだけで転換率は動きにくいままです。

ただ、証拠を増やしても動かないとしても、止まっている場所は一つではありません。

ランキングバッジを見た時点で警戒されているのか。エビデンスまで読まれる前に離脱しているのか。証拠は読まれているのに、自分に関係する情報として受け取られていないのか。情報量が増えすぎて、最後に価格とレビュー件数へ戻っているのか。

同じ「証拠を増やしても動かない」状態でも、直す場所は商品によって変わります。

ただし、自社ページのどこで転換率が止まっているかは、商品によって異なります。記事だけでは判断できません。

以下の状態が続いているなら、次の証拠追加の前に今のページを見る必要があります。

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次の証拠を追加する前に

EC業界では長年、「客観的な証拠を積み重ねることが転換率を上げる正しい手順だ」という流れで語られてきました。制作会社も、コピーライティングの教科書も、その方向で説明してきました。

だから、証拠を増やすのは自然です。ただ、そのまま続けると、来た人が「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていない状態で確認作業だけが増え、最終的に価格とレビュー件数だけで決まりやすくなります。

転換率が動くかどうかは、証拠の量と種類だけでは決まりません。来た人が「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れているかどうかで変わります。ただし、自社ページのどこで転換率が止まっているかは、記事だけでは判断できません。