「利益率30%を目標」にする前に、まず何の利益率を30%にするのか決める
楽天公式は、粗利率・営業利益率・経常利益率・純利益率を別々の指標として整理しています。同じ「利益率」という言葉でも、どこまで費用を引いた数字かで意味は変わります。
1|粗利率と営業利益率を同じ目標にしない
粗利率は売上から売上原価を引いた割合です。営業利益率は、そこから広告費、人件費、配送費、システム利用料など販売・運営費を引いた後の割合です。
粗利率40%を確保できても、運営費が大きければ営業利益率は低くなります。
2|一般的な業界目安を、そのまま自店の合格ラインにしない
楽天公式は一般的な粗利率目安として、商材ジャンルごとに幅があると紹介しています。ただし、これは粗利率の一般目安で、楽天店舗の営業利益率目標そのものではありません。
商品構成、送料負担、広告依存度、在庫回転、社内人件費が違えば、必要な利益率も変わります。
3|まず赤字にならない売上と費用を出す
損益分岐点を確認すると、「最低限どれだけ売れば固定費まで回収できるか」が分かります。目標利益率は、赤字回避ラインを超えたうえで、必要な投資や事業継続を賄える数字にします。
4|粗利率の目標なら、商品原価から販売価格を逆算する
楽天公式は、粗利率を基準に販売価格を考える基本式として「原価÷(1-目標利益率)」を紹介しています。これは商品原価と売価から粗利率を逆算するための考え方です。営業利益率を確認する場合は、送料・モール費用・決済・広告・ポイント・クーポン・人件費などを別途含めます。
商品原価から逆算できるのは粗利率の基本目安です。店舗として残したい利益を見るときは、送料・モール・決済・販促・人件費などを追加して営業利益側を確認します。
5|広告・値引きを入れた「通常運用時」の利益率を出す
広告なし・セールなしの理想条件で目標達成しても、実際の楽天運営で広告やポイントを常用するなら意味がありません。通常月に使う広告、ポイント、クーポン等を入れた状態で確認します。
6|利益率だけでなく利益額も見る
利益率50%でも月10件しか売れない商品と、利益率20%でも大量に売れて十分な利益額を残す商品では、店舗への貢献が違います。
率だけを最大化せず、商品ごとの利益額と販売量も合わせて見ます。
7|在庫・成長投資まで考えて「残したい利益」を決める
利益は税引前後の数字だけでなく、次回仕入れ、商品開発、人員、制作、広告テストなど次の成長へ使う原資にもなります。目標利益率は「高いほど良い」ではなく、何に使う利益なのかから決めます。
利益率目標を決める前の確認順
- 粗利率・営業利益率など指標を決める
- 商品単位か店舗全体かを決める
- 原価・送料・モール・決済・販促費を揃える
- 損益分岐点を確認する
- 通常運用時の利益率と利益額を出す
- 在庫・成長投資に必要な利益額を決める
- その利益を残せる販売価格・施策へ戻す
利益率目標は、外から「○%が正解」と借りてくる数字ではありません。自店がどの費用を払い、どれだけ利益を残し、次に何へ使うかを決めた後に置く数字です。