応援から比較に変わる

Makuakeで数千万円の応援購入を集めた。コメントも入った。SNSでも話題になった。プロジェクト終了後、「このまま一般販売でも売れるはずだ」と考えるのは自然です。

しかし、自社ECやモールに移した途端、売上が止まる。Makuakeの実績バナーを貼って広告を回しても、カートに入らない。「あれだけ売れたのに、なぜ一般販売では動かないのか」と感じる。

Makuakeでは応援された。一般販売では比較される。
Makuakeで売れた理由を、そのまま一般販売に持ち込んでも届かないことがあります。一般販売では、今ある選択肢の中で「なぜこれを買うのか」が見られます。

Makuakeのサポーターは、まだ世に出ていない商品への期待や、作り手への応援で申し込むことがあります。新しいものを早く試したい、プロジェクトを支えたい、という気持ちが動く場です。

一般販売では、見る姿勢が変わります。読者はすでに他の商品を知っています。価格、機能、レビュー、配送、保証を見ながら「自分に必要か」「他の商品ではなくこれを選ぶ理由があるか」を確認します。

だから、Makuakeで応援された理由を、一般販売で買う理由へ置き換える必要があります。

実績だけでは買われない

「Makuakeで〇〇万円達成」という実績は、安心材料になります。多くの人が申し込んだ事実は、商品への関心を示します。

ただ、一般販売では、それだけでは買う理由になりにくいことがあります。読者が知りたいのは、「多くの人が応援した商品」かどうかだけではありません。今の自分に必要かどうかです。

実績の見え方が変わる
Makuakeでの実績
多くの人が期待し、応援購入した証拠。プロジェクトの盛り上がりや話題性として働く
一般販売で必要なこと
その実績が、買う人の問題や欲しい状態とどう関係するのか。なぜ今この商品を選ぶ理由になるのか

実績を出すこと自体は有効です。ただし、実績だけを大きく見せても、読者が「自分に必要だ」と思えなければ購入には進みません。

Makuakeで応援された理由を、一般販売で買う理由として受け取れるように置き直すことが必要です。

整理すると薄くなる

一般販売に移すとき、「Makuakeのページは長すぎるから短くしよう」と考えることがあります。開発ストーリーを削る。作り手の想いを削る。スペックと価格を見やすく並べる。

ページはスッキリします。しかし、Makuakeで伝わっていた価値が薄くなることがあります。

整理だけでは届かない場所
短く整理すると見えやすいこと
スペック、価格、サイズ、機能、配送条件。情報は見やすくなる
薄くなりやすいこと
なぜこの商品が生まれたのか。なぜ既存商品では足りなかったのか。なぜ今この商品を選ぶ理由になるのか

情報を整理することは必要です。一般販売では、見やすさや分かりやすさも大事です。

ただ、スペックだけを並べると、他の商品と比べられやすくなります。価格と機能の比較に戻りやすくなります。Makuakeで伝わっていた価値を削るのではなく、一般販売で買う理由として置き直す必要があります。

運用や広告を整えることが必要な場面はあります。
EC運用代行や広告代理店が、露出や運用を見るのは自然です。制作会社が情報を整理するのも必要です。ただ、Makuakeで応援された理由を、一般販売で買われる理由へ置き換える作業は、別で見る必要があります。

需要切れではない

一般販売で売れない状態が続くと、「Makuakeで初期需要を取り切ったのかもしれない」と考えたくなります。

もちろん、Makuakeで支援した人と一般販売で買う人が重なる部分はあります。ただ、Makuakeで反応があった商品なら、一般販売でまったく可能性がないとは限りません。

止まっているのは需要ではなく、ページの中で買う理由が届いていない場所かもしれません。一般販売の読者は、Makuakeのときとは違う姿勢でページを見ています。その人に向けて、買う理由が届いているかを見る必要があります。

一般販売前に変える場所

Makuake後の一般販売で必要なのは、ページを短くすることだけではありません。応援された理由を、買われる理由に変えることです。

一般販売前に見る5つの場所
1|主語を変える
Makuakeでは作り手の挑戦が前に出やすい。一般販売では買い手の悩みや欲しい状態を前に出す必要がある
2|実績の意味を変える
支援総額をそのまま見せるだけでなく、多くの人が同じ悩みや欲求に対してこの商品を選んだ証拠として置き直す
3|ストーリーの役割を変える
開発ストーリーは感動させるためだけでなく、なぜ既存商品では足りなかったのかを伝える材料として使う
4|スペックを理由に変える
サイズ、素材、機能、価格を並べるだけでは他社比較に戻りやすい。選ぶ理由として伝わる順番に置き直す
5|広告前にページを見る
一般販売向けに買う理由が届いていないページへ広告を流しても、同じ場所で止まる人が増える。先にページ内で買う理由が届いているかを見る

Makuakeで売れたことは、一般販売でも使える資産です。ただし、そのままでは届かないことがあります。応援された理由を、買う理由へ変えることで、一般販売でも意味を持ちます。

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まず、買う理由に変える

Makuakeで売れたことは、商品への期待があった証拠です。一般販売に活かせる材料です。

ただ、Makuakeでは応援された。一般販売では比較されます。見られ方が変わるため、ページの役割も変わります。

広告費を増やす前に、Makuakeで応援された理由を、一般販売で買う理由に変えられているかを見る。そこが分かれば、ページを直すべきか、運用を直すべきか、次に見る場所が見えてきます。