詰め込んだ。同質化した。

「1枚目で良さが伝われば転換率が上がる」と考えた。機能、素材、受賞歴を全部入れた。文字も増やした。

楽天の検索結果を見た。競合のサムネイルも似たようなことを書いていた。「楽天1位」「こだわり素材」「受賞実績あり」という言葉が並んでいた。

来た人から見れば、どのページも同じように見えている。

商品の良さが足りないわけでも、デザインのクオリティが低いわけでもありません。
楽天の検索一覧では多くの店舗が「良さ」を詰め込んでいるため、良さのアピール自体が来た人にとってのノイズになっています。

EC業界では長年、「サムネイルで商品の良さをしっかり伝えることがクリック率と転換率を決める」という流れで語られてきました。制作会社も、楽天のノウハウ記事も、その方向で説明してきました。

だから、まず良さを詰め込むのは自然です。ただ、そのまま続けると、転換率が止まっている場所は見えないまま残ります。

シズル感のある写真で差をつけようとした

「写真の品質が低いから差がつかないんだ」と考えた。プロのカメラマンに頼んだ。食材の湯気、素材の質感、使っているシーンを丁寧に撮った。

クリック率はわずかに上がった。転換率は変わらなかった。

競合も同じようにプロ撮影を使っていた。高品質な写真が並ぶことで、今度は写真の品質では差が出にくくなっていた。

プロ撮影・高品質サムネイルで変わること・変わらないこと
プロ撮影で変わること
写真の品質が上がる。商品の見た目が整う。競合より写真が劣っている場合は差を縮めやすい
プロ撮影でも変わらないこと
来た人が「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れているかどうか。競合も同じレベルの写真を使っていれば、写真では差がつかない

写真の品質は一定の水準を超えると、それ以上は差として機能しにくくなります。来た人が止まるかどうかは、写真の品質より別の場所で決まっていることがあります。

良さを語るほど、スクロールが速くなった

「もっと丁寧に良さを伝えれば分かってもらえる」と考えた。2枚目、3枚目にも機能説明とこだわりを追加した。スクロール率を確認した。

3枚目以降はほとんど見られていなかった。良さを語るほど、来た人のスクロールが速くなっていた。

楽天で来た人は、複数の商品を開いて速いスピードで見ている。その状態で良さの説明が続くと「この商品が自分に合うかどうか」を判断できないまま次のページへ移りやすくなります。

商品の良さを詳しく伝えるほど起きること
詳しく伝えて有効な場面
来た人がすでに「この商品でよさそうだ」と感じた後、詳細を確認したい場面。良さの説明が後押しとして機能する
詳しく伝えるほど離脱が増える場面
来た人がまだ「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていない状態。良さの説明が続くほど「自分に関係があるかどうか」が分からないまま次のページへ移りやすくなる
「ベネフィットへの変換」(機能→使うとどう良いか)について。
機能説明をベネフィット(使うと何がいいか)に変換することは、来た人への説明として有効です。ただ、来た人がまだ「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていない状態では、ベネフィットを増やしても転換率は動きにくいままです。ベネフィットの言葉を変える前に、今のページで転換率が止まっている場所を見ることが先になります。

サムネが伝えるべきは、良さではない

転換率が良さを変えても動かない場合、サムネが伝えるべきものが良さとは別の場所にあります。

楽天で来た人が求めているのは「すごい商品」ではなく「自分の悩みに合う商品を選ぶ理由」です。サムネの早い段階で「この商品は自分のためのものだ」と感じてもらえる何かが届いていれば、その後の良さの説明が機能しやすくなります。

ただ、良さを詰め込んでも動かないとしても、止まっている場所は一つではありません。

1枚目で比較対象に入れていないのか。良さを見た時点で、自分に関係がある情報だと受け取られていないのか。写真は見られているのに、価格で比較に戻っているのか。2枚目以降まで進む前に離脱しているのか。

同じ「良さを見せても動かない」状態でも、直す場所は商品によって変わります。

ただし、自社サムネのどこで転換率が止まっているかは、商品によって異なります。記事だけでは判断できません。

以下の状態が続いているなら、次のサムネ改修の前に今のページを見る必要があります。

無料診断
サムネを変える前に、今のページを見る。
良さを詰め込んでも転換率が動かないなら、良さの前の場所で止まっている可能性があります。
どこで止まっているかが分かれば、サムネに何を入れるかが変わります。
URLを送るだけで、2営業日以内に診断レポートをお送りします。
今のページを診断する
※営業電話は一切いたしません。

次のサムネ改修の前に

EC業界では長年、「サムネイルで商品の良さをしっかり伝えることがクリック率と転換率を上げる正しい手順だ」という流れで語られてきました。制作会社も、楽天のノウハウも、その方向で説明してきました。

だから、まず良さをサムネに詰め込むのは自然です。ただ、そのまま続けると、来た人が「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていない場所は変わらないまま残ります。

転換率が動くかどうかは、サムネに詰め込む良さの量や品質だけでは決まりません。来た人がサムネで「この商品は自分のためのものだ」と感じられるかどうかで変わります。ただし、自社ページのどこで転換率が止まっているかは、記事だけでは判断できません。