ペルソナを作った。一般論になった。
「ターゲットを絞れば刺さる」と聞いた。ペルソナを設定した。その人が抱える悩みをリストアップした。ページに入れた。
来た人の反応を確認した。直帰率は変わっていなかった。レビューを読んだ。「ここに書いてあることは分かるけど、自分の場合どうなのか、判断できなかった」という声があった。
「もっとペルソナを細かくすれば刺さるはずだ」と考えてさらに絞り込んだ。転換率は変わらなかった。
楽天で来た人は「こんな悩みがありますか?」という確認より先に、「これは自分の日常の話かどうか」を判断しています。悩みのリストより前に、来た人が「これは自分に関係ある」と感じられる場所が整っていないことがあります。
EC業界では長年、「ペルソナを設定して顧客の悩みを詳細に描写することが転換率を上げる正しい手順だ」という流れで語られてきました。制作会社も、コピーライティングの教科書も、その方向で説明してきました。
だから、まずペルソナを設定するのは自然です。ただ、そのまま続けると、転換率が止まっている場所は見えないまま残ります。
競合を真似た。自分ごとにならなかった。
「売れている競合のページを参考にすれば間違いない」と考えた。悩みの描写の仕方、共感のコピーの流れを真似た。
転換率は上がらなかった。競合と自社のページを並べて見た。似た構成なのに、何かが違う感覚があった。
競合ページの共感コピーが機能している場合、それはその商品と来た人の間に既に何らかの接点があることが多いです。同じコピーの型を使っても、来た人が「これは自分のためのものだ」と感じる条件が整っていなければ、形だけの模倣になりやすくなります。
模倣することは参考として有効です。ただ、来た人が「自分のこと」として受け取れる状態が整っていないまま型だけを使うと、どこにでも当てはまる一般的な訴求に見えやすくなります。
「良さそうだけど私には合わない」で保留された
レビューを確認した。「商品は良さそうだったけど、自分に合うかどうか分からなかった」「色々書いてあったけど、結局自分のケースに当てはまるか判断できなかった」という声があった。
来た人は「商品が悪い」と判断したわけではなかった。「自分に関係あるかどうか」が分からなかっただけだった。
「良さそうだけど自分には合わないかもしれない」という感覚は、悩みリストの内容が足りなかったことが原因ではありません。来た人が「これは自分のためのものだ」と感じられる理由が、ページの前半で届いていなかったことから来ています。
ペルソナをさらに細かくすることや、マンガやストーリー形式で共感を深める作業は、来た人との距離を縮める方向として有効な場合があります。ただ、来た人がまだ「これは自分の日常の話だ」と感じられていない状態では、共感が深まっても転換率は動きにくいままです。ペルソナを変える前に、今のページで転換率が止まっている場所を確認することが先になります。
悩みリストより先に止まっている
転換率がペルソナや悩みリストを変えても動かない場合、悩みリストより前の場所で止まっています。
来た人がページの前半で「これは自分の日常の話だ」と感じられていれば、悩みリストが「やっぱり自分のことだ」という確信を深める情報として機能します。その状態が整っていないまま悩みリストを変えても、来た人の「自分のこと」感は生まれにくいままです。
ただ、自分ごとになっていないとしても、止まっている場所は一つではありません。
最初の画像で比較対象に入れていないのか。悩みリストを読む前に、商品との差が分からなくなっているのか。悩みリストは読まれているのに、自分に合う理由として受け取られていないのか。競合ページを真似たことで、自社商品の見え方と合っていないのか。
同じ「自分ごとにならない」状態でも、直す場所は商品によって変わります。
ただし、自社ページのどこで転換率が止まっているかは、商品によって異なります。記事だけでは判断できません。
以下の状態が続いているなら、次のペルソナや悩みリストの変更の前に今のページを見る必要があります。
- ペルソナを設定して商品ページを作ったが転換率が上がらず直帰率も改善しない
- 競合の悩みリストを参考に作ったが「どこにでも当てはまる一般論」になっている感覚がある
- レビューに「良さそうだけど自分に合うか分からなかった」という声が続いている
- 「もっと刺さる悩みの言葉を探しているが、どう変えればいいか分からない」という状態が続いている
どこで止まっているかが分かれば、来た人が「自分のこと」として受け取れる場所が見えてきます。
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次のペルソナ設定の前に
EC業界では長年、「ペルソナを設定して顧客の悩みを詳細に描写することが転換率を上げる正しい手順だ」という流れで語られてきました。制作会社も、コピーライティングの教科書も、その方向で説明してきました。
だから、まずペルソナを設定するのは自然です。ただ、来た人がページの前半で「これは自分の日常の話だ」と感じられていない状態では、悩みリストをいくら丁寧に作っても「自分のこと」として受け取ってもらいにくいままです。
転換率が動くかどうかは、悩みリストの精度だけでは決まりません。来た人がページの前半で「これは自分に関係ある」と感じられる場所が整っているかどうかで変わります。ただし、自社ページのどこで転換率が止まっているかは、記事だけでは判断できません。