増やした。到達しなかった。

「不安を先回りして解消すれば買われる」と考えた。FAQを充実させた。競合のQ&Aを参考に項目を増やした。

ヒートマップを見た。FAQのセクションの直前で大半が離脱していた。FAQまで読み進んだ人がほとんどいなかった。

「FAQの場所が分かりにくいのか」と考えて、目立つ位置にバナーを設置した。転換率は変わらなかった。

FAQの回答が不親切なわけでも、網羅性が足りないわけでもありません。
来た人がFAQに到達する前に離脱しているなら、FAQに到達する前のどこかで、転換率が止まっている可能性があります。

EC業界では長年、「購入前の疑問を先回りして解消することが転換率を上げる正しい手順だ」という流れで語られてきました。制作会社も、コンサルも、その方向で提案してきました。

だから、FAQの充実から手をつけるのは自然です。ただ、そのまま続けると、ページで転換率が止まっている場所は見えないまま残ります。

疑問を持つ段階まで来ていない

FAQが読まれていない場合、来た人はまだ「疑問を持つ段階」にいない可能性が高い。

疑問を持つのは「この商品でよさそうだ」と感じた後、最後に確認したい段階です。その前の「この商品でよさそうだ」という理由が届いていない状態では、FAQまで読み進まずに離脱する。

FAQが機能する場面・機能しない場面
FAQが転換率に効く場面
来た人が「この商品でよさそうだ」と感じた後、購入前の最終確認をしたい場面。疑問を持っている段階の人に届く
FAQが効かない場面
来た人がまだ「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていない状態。FAQまで読み進まずに離脱している

来た人は「疑問があるから買わない」とは限りません。その手前で、この商品を選ぶ理由を受け取れていない場合があります。FAQで疑問を解消しようとしても、その前の段階で既に離脱しているなら届きにくくなります。

チャットボットも使われなかった

「疑問をリアルタイムで解消できれば転換率が上がるはず」と考えてチャットボットを導入した。利用率が極端に低かった。転換率も動かなかった。

チャットボットは来た人の疑問に対応するツールとして有効な場合があります。ただ、来た人がページで「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていない状態では、チャットボットを使う前に離脱することが多くなります。

チャットボット導入で変わること・変わらないこと
チャットボットで変わること
購入を決めた人が最後の疑問を即座に解決できる。問い合わせ対応の工数が減る場合がある
チャットボットでも変わらないこと
来た人がページで「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れているかどうか。この場所が変わらなければ、チャットボットを使う段階まで来た人が到達しない
「よくある質問」バナーの目立つ配置について。
FAQセクションを目立つ場所に置くことは、来た人がFAQを見つけやすくする作業として有効です。ただ、来た人がページの前半で「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていない状態では、FAQバナーを見る前に離脱することが続きます。FAQの見せ方を変える前に、今のページで転換率が止まっている場所を見ることが先になります。

転換率が止まっている場所は、FAQの前にある

FAQを充実させても転換率が変わらない場合、見るべき場所はFAQそのものではなく、FAQに到達する前のどこで止まっているかです。

来た人がページの前半で「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れていれば、自然とFAQまで読み進む。その状態ができていないまま、FAQをいくら増やしても転換率には反映されにくいままです。

ただし、自社ページのどこで転換率が止まっているかは、商品によって異なります。記事だけでは判断できません。

以下の状態が続いているなら、次のFAQ追記の前に今のページを見る必要があります。

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FAQ施策を変える前に、今のページを見る。
FAQを充実させても転換率が変わらないなら、FAQより前の場所で転換率が止まっている可能性があります。
どこで止まっているかが分かれば、次に何を変えるかが決められます。
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次のFAQ追記の前に

EC業界では長年、「購入前の疑問や不安を先回りして解消することが転換率を上げる正しい手順だ」という流れで語られてきました。制作会社も、コンサルも、ユーザビリティのノウハウも、その方向で説明してきました。

だから、FAQを充実させるのは自然です。ただ、そのまま続けると、ページで来た人が「この商品を選ぶ理由」を受け取れていない場所は見えないまま残ります。

転換率が動くかどうかは、FAQの網羅性やチャットボットの有無ではなく、来た人がページの前半で「この商品でよさそうだ」という理由を受け取れているかどうかで変わります。ただし、自社ページのどこで転換率が止まっているかは、記事だけでは判断できません。