整えたのに、なぜ転換率は動かないのか

アクセスはそこそこある。商品にも自信がある。制作会社に頼んでページも綺麗にした。スマホ表示も直した。それでも転換率は1%台から動かない。

同じところで足踏みしている店舗は多い。やれることはやった、という感覚だけが残って、次に何を直せばいいのか分からなくなる。まず、この状態から見ていきたい。

綺麗にしても動かないのは、努力が足りないからではない。
整えてきた場所と、転換率が決まる場所が、別だっただけだ。

「デザインが足りない」という見方は、どこから来たか

ページが古いから売れない。情報量が足りないから売れない。多くの店舗がそう考える。これは自然な発想だ。制作会社はデザインを商品として提供している。広告の運用会社はアクセスを増やす提案をする。受け取る側には、綺麗にするか、流入を増やすか、その二つが選択肢として並ぶ。

多くの店舗が見ている場所と、実際に起きていること
見ている場所
デザインの新しさ、情報量の多さ、レビューの件数
実際に止まっている場所
買う理由が、読者に届く前のどこか

どちらも間違いではない。ただ、その二つを一通り試した後でも数字が動かない店舗が、現実に多く残っている。整えるべきものは整えた。それでも止まる。となると、見ている場所そのものを一度ずらして考える必要が出てくる。

読者は、商品ではなく自分の問題を見に来ている

ここで一度、視点を変えたい。整えてきたのは、商品の説明だった。だが読者は、商品の説明を読みに来ているわけではない。自分がいま抱えている困りごとが、これで解決するのか。それを確かめに来ている。その答えが伝わる前に、商品の特徴や実績の話が始まる。すると読者は、自分に関係のある話だと受け取る前に、ただの売り込みとして処理して離れていく。デザインを整えても、情報を足しても、この順番が変わらなければ、読者は同じ手前で止まる。転換率を決めているのは、素材の良し悪しではなく、買う理由が読者に届く順番のほうだ。

デザインや情報量について。
デザインを整えることにも、情報を充実させることにも意味がある。読みやすいページは、それだけで読者の負担を減らす。ただ、それを整えても、買う理由が届く順番のどこかで止まっていれば、その効果は表に出てこない。整えること自体が無駄なのではなく、整えるだけでは届かない場所が、別に残っている。

では、どこで止まっているのかを見る

見るべきは、ページの綺麗さではない。読者がページを開いてから購入に進むまでのあいだで、買う理由がどの順番で出てきて、どこで途切れているか。入口で離れているのか、読み進めた途中で離れているのか、最後のひと押しの手前で離れているのか。止まっている場所によって、見るべきところはまるで違う。だから、まず今のページで読者がどこで止まっているのかを確かめることが先になる。

以下の状態が続いているなら、次の施策の前に今のページを見る必要があります。

ECの現場が、長くそう教えてきた

ECの現場では長いあいだ、ページを綺麗にすること、情報を充実させること、流入を増やすことが、売上を伸ばす方法として語られてきた。制作会社も、運用会社も、プラットフォーム側の情報も、その方向で説明してきた。だから、まずデザインや情報量に手を入れるのは、ごく自然な選び方だった。

ただ、その方向のまま施策を重ねていくと、買う理由が止まっている場所は見えないまま残り続ける。費用は先に出ていき、作業も増える。それでも数字は手前で止まったままになる。

転換率が動くかどうかは、デザインの新しさでもアクセスの量でもなく、買う理由が読者に届いているかで決まる。ただ、その買う理由が自社のページのどこで止まっているのかは、今のページを外から見てみないと判断がつきにくい。