2回目は、1回目で決まる
「LTVを上げなければ事業が成り立たない」と感じて、CRMツールを導入する。顧客セグメントを分ける。ステップメールを組む。LINE配信も始める。
それでも2回目以降の購入率は動かない。割引クーポンを送った時だけ反応がある。定価の案内には沈黙が返ってくる。
この時、多くの現場では「メールの内容が悪いのか」「配信タイミングを変えるべきか」という見方になります。もちろん、購入後のフォローは必要です。ただ、そこだけを見ていると、見落とされる場所があります。
「安かったから試した」人と、「自分に必要だと思って選んだ」人では、定価に戻った時の動きが変わります。購入後のメールを直す前に、1回目の購入時点で何を受け取って買ったのかを見る必要があります。
CRMやステップメールは、必要な場面があります。買った後に思い出してもらう。使い方を伝える。続けるきっかけを作る。その役割はあります。
ただ、1回目の購入理由が「安かったから」だけになっている場合、購入後の施策だけで定価でも続ける理由を作るのは難しくなります。
500円の理由で止まる
初回500円のトライアル。申し込み数は増える。広告の数字も一時的に見えやすくなる。
しかし、2回目の定価への引き上げ率が低い。解約理由には「なんとなく続けるほどではなかった」「効果が分からなかった」という言葉が並ぶ。
ここで「商品力が足りないのか」と見られることがあります。けれど、実際には商品そのものの前に、買われ方の問題が残っている場合があります。
商品の満足度は、使った後だけで決まりません。使う前に、何を期待して買ったか。どこを見ればよいと思って買ったか。その入り口が、2回目以降の動きに影響します。
価格だけで試した人は、定価になった瞬間に別の判断に切り替わります。「500円ならよかった」から、「この金額を払い続けるほどか」へ変わる。この時、価格以外の理由が残っていなければ、購入後のメールは届きにくくなります。
数は増えたのに残らない
LPの役割を「初回の申し込み数を最大化する場所」とだけ見ると、作り方は自然に決まっていきます。
初回価格を下げる。申し込みフォームを短くする。定期の条件を目立たせる。不安を減らす。購入のハードルを下げる。
これらは必要な場面があります。ただ、ハードルを下げるだけで数を増やすと、1回目の購入理由が価格に寄りやすくなります。
定期購入そのものが悪いわけではありません。定価でも続ける理由が届く前に定期の条件だけが見えると、読者には「便利」ではなく「逃げにくい」と映ります。先に見るべきなのは、縛り方ではなく、続ける理由がページ内で届いているかです。
CRMの前に見る場所
CRM施策は、1回目の買われ方が整っているほど機能しやすくなります。
買った理由が残っている人に使い方を伝える。続けるきっかけを作る。不安になりやすいタイミングで補足する。この場合、購入後のコミュニケーションは自然に届きます。
一方で、価格だけで動いた人にメールを送っても、定価で続ける理由は届きにくい。値引きの案内には反応しても、通常価格の案内では止まる。これが続くと、CRMへの投資は増えているのにLTVが上がらない状態になります。
以下の状態が続いているなら、メールのシナリオを増やす前に、LPで1回目の買われ方を確認する必要があります。
- CRMツールを導入してステップメールを組んだが、2回目以降の購入率が上がらない
- 割引クーポンの時だけ反応し、定価の案内では動かない
- 初回割引では申し込みが取れるが、定価への引き上げ率が低い
- 定期購入を出すと、申し込み率そのものが落ちる
順番を決める前に、まず現在のLPで定価でも続ける理由が届いているかを確認します。
まず、買われ方を見る
LTV改善というと、購入後のメール、LINE、同梱物、クーポン、定期引き上げの施策が語られます。どれも必要な場面があります。
ただ、1回目の購入理由が価格だけになっている場合、購入後の施策だけでは届きにくくなります。定価でも続ける理由は、買った後に突然生まれるものではありません。
割引の時だけ動く。定価になると止まる。CRMを入れても反応が薄い。そういう状態なら、最初に見る場所は購入後ではなく、1回目の購入前です。
現在のLPで、読者は何を受け取って買っているのか。価格以外の理由が残っているのか。ここを確認してから、CRMに投じる順番を決めた方が、改善の方向は見えやすくなります。