先に結論
ECサイトの平均CVRは、目安として1〜3%程度と紹介されます。ただし、この数字だけで自社の良し悪しは判断できません。比較条件をそろえた平均、自社の過去推移、利益が残るために必要なCVRの3つを見ます。

ECサイトの平均CVRは、調査によって数字が違う

CVRは、一定期間の注文数をセッション数で割って計算します。100回の訪問に対して2件の注文があれば、CVRは2%です。

CVR = 注文数 ÷ セッション数 × 100 同じ「CVR」でも、ユーザー数で割るか、セッション数で割るか、注文完了以外もコンバージョンに含めるかで数字は変わります。

「ECサイトの平均CVRは何%か」と調べると、1〜3%程度という数字が多く見つかります。一方、公開元ごとの数字を並べると、同じECでも幅があります。

公開元示されている数字比較するときの注意
Littledata Shopify店舗の平均CVRは1.4%。上位20%は3.2%超 Shopify店舗のベンチマーク。モバイル平均1.2%、デスクトップ平均1.9%と端末でも差がある
Shopify(2026年更新) EC全体の目安として1.6〜2.9% 世界全体の広い目安。カテゴリ別では1%未満から6%超まで差がある
Contentsquare(2026年) 新規訪問1.7%、再訪問2.9%。デスクトップはモバイルより74%高い 6,000超のサイト・9業種を含む調査。全体平均ではなく、訪問者属性・端末差を見る参考値

出典:Littledata Ecommerce Conversion Rate BenchmarkShopify Retail Conversion Rate(2026)Contentsquare 2026 Conversion Benchmarks。Littledataは2023年のShopify店舗データ、ShopifyとContentsquareは2026年公開情報です。数値は母集団・定義が異なるため、同一条件の平均として単純比較しません。

平均CVRは一つの正解ではありません。
「どの条件で計測した平均か」をそろえて、初めて比較に使えます。

自社と比べる前に、6つの条件をそろえる

同じECサイトでも、購入の難しさが違えばCVRは変わります。平均値と自社を比べる前に、少なくとも次の条件を分けます。

たとえば、広告から初めて来た人が中心の高単価商品と、指名検索で来たリピーター中心の食品ECを、同じ2%で評価することはできません。

平均値は、自社が極端に外れていないかを見る入口には使えます。ただし、「2%を超えれば合格」「1%未満なら失敗」と決める数字ではありません。

見るべき数字は、平均・過去推移・損益分岐CVRの3つ

自社のCVRを判断するときは、業界平均だけでなく、次の3つを並べます。

CVRを判断する3つの基準
1. 条件をそろえた平均
同じ商材、単価、端末、流入経路に近いベンチマーク。市場の中で極端に外れていないかを確認する
2. 自社の過去推移
同じ計測条件で、前月・前年・改修前後を比較する。外部平均より改善効果を判断しやすい
3. 損益分岐CVR
広告費、粗利、送料、決済手数料などから、利益が残るために最低限必要なCVRを逆算する

この中で、事業判断へ直接つながるのは損益分岐CVRです。平均を超えていても、獲得費が高く、1注文あたりの利益が小さければ赤字になります。反対に、平均より低くても、粗利やリピート購入を含めて利益が残る場合があります。

広告流入の必要CVR = 1セッションあたりの集客費 ÷ 1注文あたりの許容獲得費 × 100 例:広告費30万円で1万セッションなら、1セッションあたり30円。1注文に使える獲得費が1,500円なら、必要CVRは2%です。

実際には、自然流入、固定費、返品、値引き、リピート購入、LTVなども加味します。上の式は、広告流入の最低ラインを把握するための簡易式です。

CVRが低いとき、商品ページを直す前に落ちている場所を見る

平均より低いと分かっても、すぐにボタンの色や画像を変えると、原因と施策がずれることがあります。まず、購入までのどこで数字が落ちているかを分けます。

広告や検索結果で止まる
集めている人、訴求、検索意図との一致を確認する。商品ページ以前の問題です
商品ページでカートに入らない
価格、送料、納期、比較軸、選ぶ理由、証拠、使用後の結果が届いているかを見る
カートには入るが購入されない
送料の後出し、決済方法、入力負荷、配送条件、不安の残り方を確認する
購入されるが利益が残らない
CVRより先に、広告費、粗利、値引き、返品、リピートを含む損益条件を見直す
CVRが低いことは、原因ではなく結果です。
どの購入判断で止まったかが分かってから、直す場所が決まります。

平均値を見た後に決めること

ECサイトの平均CVRは、1〜3%程度を最初の目安にできます。ただし、その数字だけでは、自社のCVRが低い理由も、次に直す場所も分かりません。

判断の順序は、次の通りです。

平均値は、改善の出発点です。改善目標そのものではありません。

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