平均に届いた。それで終わった。
コンバージョン率が低いと感じて調べた。「EC業界の平均は1〜2%」と出てきた。
自社の数字と比べた。平均以下だと分かった。平均に近づけようとした。ボタンを変えた。画像を差し替えた。施策を重ねた。
数字は平均に近づいた。しかし利益は変わらなかった。「平均を超えれば利益が出るはず」という計算は成り立たなかった。
平均に近づけることと、利益が残ることは別の話です。
EC業界では長年、「コンバージョン率の平均値を把握し、そこを目標に改善していくことが正しい手順だ」という流れで語られてきました。Webメディアも、支援会社も、その方向で数字を提示してきました。
だから、まず平均を調べるのは自然です。ただ、そのまま平均値を目標にして施策を重ねると、自社にとって本当に見るべき場所は見えないまま残ります。
業界平均は同じ土俵の数字ではない
「EC業界の平均コンバージョン率は1〜3%」という数字は、商品の単価、流入経路、指名検索の割合などを一切区別せずに計算されている。
3,000円の日用品と、30,000円の家電では、購入までに必要な確認の量が違う。検索して指名で来た人と、広告経由で受動的に来た人でも違う。それを同じ「平均」でまとめて比べても、自社の判断には使いにくい。
高単価商品やリピート商材、指名検索が多いブランドでは、業界平均より低いコンバージョン率でも利益が残ることがあります。一方、低単価で広告経由の流入が中心なら、平均を超えていても利益が出ない場合があります。
業界平均と自社を比べていても、自社の利益構造に合った数字がどこにあるかは分からない。
平均を超えても利益が残らない
コンバージョン率が業界平均を超えた。それでも広告費が先に増えて、利益が残りにくくなった。
「平均を超えれば合格」という感覚は自然です。ただ、平均値は自社の広告費や原価を考慮していない。平均を超えていても、自社の損益から見て必要な水準に達していなければ、利益は出ない。
「コンバージョン率が2倍になれば売上も2倍になる」という計算で広告費を増やすことがあります。ただ、買う理由が届いていない状態が残っていれば、アクセスを増やしても費用が先に増えるだけです。
支援会社が「業界平均の2%を目標に」と設定することがあります。これは数字として分かりやすく、施策の進捗を測るうえで使いやすい面があります。ただ、目標の数字が自社の広告費と利益の構造から計算されていなければ、目標に達しても利益が出ない状態が続くことがあります。
見るべき数字が別にある
業界平均ではなく、自社の広告費・原価・利益から逆算した「この水準まで届かなければ利益が出ない」という数字を先に確認することが必要です。
その数字と現状の差が分かって初めて、何をどこから変えるかが決められる。
ただし、ページのどこで注文まで進まなくなっているかは、商材や流入経路によって異なります。自社ページの止まっている場所は、外から確認しないと見えにくい。
以下の状態が続いているなら、業界平均との比較を続ける前に今のページを見る必要があります。
- 業界平均を目標に施策を重ねてきたが、利益が残らない状態が続いている
- コンバージョン率が平均に近づいたが、広告費が先に増えて収益が出ていない
- 単価や商材が異なるのに、同じ「業界平均」で自社のページを評価している
- ページを改修しているが、自社の利益から計算した目標数字を持っていない
必要なのは、業界平均ではなく「自社で利益が残る水準」と、今のページで止まっている場所です。
URLを送るだけで、2営業日以内に診断レポートをお送りします。
次の比較の前に
EC業界では長年、「コンバージョン率の業界平均を調べ、そこを目標に改善施策を打つことが正しい流れだ」と語られてきました。Webメディアも、支援会社も、コンサルも、その方向で数字を提示してきました。
だから、まず平均を調べて、そこに近づけようとするのは自然です。ただ、そのまま業界平均を目標にして施策を重ねると、自社の利益構造から見た本当に必要な数字は見えないまま残ります。
コンバージョン率で利益が残るかどうかは、業界平均との距離ではなく、自社の広告費と原価から計算した水準に達しているかどうかで変わります。ただし、今のページのどこで止まっているかは、記事だけでは判断できません。