売上額・利益額・利益率は別の数字。売上が増えても利益率が上がるとは限らない
利益率は利益を売上高で割った比率です。売上が増えたとき、利益額が増えても売上の伸びより利益の伸びが小さければ利益率は下がります。中小企業庁も売上高利益率や損益分岐点を別々の財務指標として扱っています。
売上が増えたときは、何が売上を増やし、その追加売上1円あたりに何円の利益が残ったかを見ます。
1|値下げで販売数を増やすと、売上増と利益率低下が同時に起こる
販売数量が増えて売上高が伸びても、1件あたり利益が薄くなれば利益率は下がります。販売量で戻せるのは総利益額であって、1件あたり利益率ではありません。
2|低粗利商品の売上構成比が上がる
高粗利商品と低粗利商品があるECでは、低粗利商品の販売比率が増えるだけで、店舗全体の売上は伸びても平均利益率は下がります。商品ミックスを分けて見ます。
3|広告・ポイント・クーポンで売上を買っている
販促で売上が伸びても、広告費・ポイント原資・クーポン値引きが売上増以上に増えれば、利益率は悪化します。売上だけで販促成功を判断しません。
4|送料・物流費が注文増に比例して増える
売上が増えるほど出荷件数が増え、送料・梱包・倉庫作業などの変動費も増えます。低単価商品では特に売上に対する物流費率が高くなりやすくなります。
5|売上拡大のために追加の固定費が発生する
一定規模を超えて人員・倉庫・システム等を追加すると、売上増と同時に固定費も段階的に増えます。売上が増えた直後は、追加固定費を吸収しきれず利益率が下がる場合があります。
6|利益率だけ上がっても、利益額が小さくなる場合がある
逆に、低粗利商品の販売を止めれば利益率は上がっても、総利益額が減ることがあります。利益率だけ最大化せず、利益額・キャッシュ・成長余力まで見ます。
売上増を評価する3つの数字
同時に見る
売上高
どれだけ販売したか。規模を示す。
利益額
費用を引いた後に何円残ったか。
利益率
売上1円あたりに利益がどれだけ残ったか。
売上が増えたときの確認順
- 何の商品・施策で売上が増えたか分ける
- 商品別の粗利率を見る
- 広告・ポイント・クーポン負担を加える
- 送料・物流費を加える
- 追加固定費を確認する
- 利益額と利益率を同時に見る
売上成長と収益性改善は別の成果です。 売上を増やした施策が、利益額を増やしたのか、利益率を上げたのか、あるいは両方を悪化させたのかまで分けて判断します。