勝ったのに、利益は増えない
A/Bテストのレポートを見る。Aパターンが勝っている。クリック率は少し上がった。ヒートマップでも、変更した箇所が赤くなっている。
「改善できた」と報告を受ける。管理画面上の数字も、確かに動いている。
しかし月末に売上と利益を見ると、変化がない。広告費、ポイント原資、制作費を差し引くと、手元に残るお金は増えていない。
レポートでは良い。現場では変わらない。このズレが続くと、何を信じればいいのか分からなくなります。
ただ、読者が止まっている場所が変わっていなければ、勝った結果が出ても利益は動きにくいままです。
テスト結果が間違っているとは限りません。ヒートマップも役に立ちます。
ただ、その数字が「買う理由が届いたこと」を示しているとは限りません。クリックされた、読まれた、止まった。その先で、購入に進む理由が届いているかは別で見る必要があります。
0.1%が、積み上がらない
改善レポートには、小さな変化が並びます。クリック率が0.1%上がった。滞在時間が数秒伸びた。スクロール率が少し改善した。
一つひとつは前進に見えます。ただ、月末の利益には反映されない。
0.1%動いた。次も0.1%動いた。でも月末の利益は変わらない。
その差が、ページ全体の買う理由を変えていない可能性があります。読者が買う理由を受け取る前に止まっているなら、細部の改善は利益まで届きにくいままです。
ECでは、A/Bテストやヒートマップが改善策として使われてきました。どれも必要な場面があります。ただ、数字が動いた場所と、利益が動く場所は同じとは限りません。
赤い場所を動かしても、売れない
ヒートマップを見ると、読まれている場所と読まれていない場所が見えます。赤い場所は注目されている。青い場所は通過されている。
そこで赤い場所をさらに強化する。あるいは青い場所を削る。見た目上は改善しやすい判断です。
赤い場所は、読まれている場所です。でも、読まれている理由までは分かりません。
納得して読んでいるのか。迷って止まっているのか。意味が分からず戻っているのか。その違いは、色だけでは見えません。
赤い場所を変えても、買う理由が届く流れが変わらなければ、利益は動きにくいままです。
ツールを替えても、残る
テスト結果に納得できないと、別のツールを探します。より精度の高いヒートマップ、より細かく分かるA/Bテスト、AIによる自動改善。
ツールを替えることで、見える数字は増えます。しかし数字が増えても、利益は変わらないことがあります。
ツールは、用意された選択肢の中で良いものを選びます。
ただ、その選択肢の中に「買う理由が届く流れ」がなければ、どれを選んでも大きくは動きにくいままです。測定精度を上げる前に、何を測るべきかを見る必要があります。
測っても利益が増えない3つの状態
なぜ勝ったか分からない
Aパターンが勝った。けれど、なぜ勝ったのかが分からないまま次のテストに進む。
色なのか、文言なのか、配置なのか。たまたま流入が変わっただけなのか。そこが曖昧なまま次の施策に進むと、勝ちが積み上がりません。
「勝った」という結果だけでは、次に何を変えるべきかまでは見えません。
レポートは良い。利益は増えない。
コンサルやツールのレポートでは、改善項目が並びます。クリック率、滞在時間、スクロール率、A/Bテストの勝敗。
しかし店舗側が見ているのは、月末の売上と利益です。ここが動かなければ、改善の実感はありません。
レポート上の改善と、事業としての改善は同じとは限りません。
広告の影響で見えなくなる
広告費を増やした月に売上が増える。ポイント施策を強めた月に転換率が上がる。
このとき、ページ改善の効果なのか、広告とポイントの影響なのかが見えにくくなります。
広告費を増やして売上が増えたとしても、利益が薄くなっていればページ改善の効果とは言い切れません。
以下の状態が続いているなら、テストを続ける前に確認すべき場所があります。
- A/Bテストでは勝っているのに、月末の売上や利益が変わっていない
- ヒートマップは赤くなっているが、注文数が増えていない
- 改善レポートの数字は良いのに、店舗側の実感がない
- 広告費やポイント施策の影響で、ページ改善の効果が見えにくくなっている
どこで買う理由が届いていないかを確認します。
URLを送るだけで、2営業日以内に診断レポートをお送りします。
まとめ
商品ページ改善の効果測定では、クリック率、滞在時間、スクロール率、A/Bテストの勝敗が見られやすい。どれも必要な指標です。
ただ、それらの数字が動いても、ページ内で読者が止まっている場所が変わっていなければ、利益は動きにくいままです。
テストを続ける前に、どこで買う理由が届いていないかを見る。そこが見えると、何を測るべきか、どの数字を見るべきかが変わります。