イベントが終わった瞬間、管理画面が静まり返る

母の日、お中元、敬老の日、年末年始。イベント期間だけ売上が急増し、シーズンが終わると同時に注文がほぼゼロに戻る。

この繰り返しを「季節商品だから当然だ」と考えると、次に向かう施策はRPP広告の増額か、クーポン発行になりやすい。

しかし、広告を増やしても転換率は動かない。クーポンを出しても利益が薄くなるだけ。管理画面の数字は、また静かな状態に戻ります。

季節商品以外が売れない状態は、閑散期の需要だけの問題とは限りません。
ページが「誰かへの贈り物」を探している人向けのまま止まっていると、自分用に見ている読者には買う理由が届きません。

イベント期間の読者は、誰かに贈るものを探しています。一方で、閑散期にページへ来る読者は、自分の生活の中で使えるものを探していることがあります。

その読者に、贈り物の話だけを届けても、自分用として見続ける理由が生まれにくい。ページがギフト用のままなら、日常の読者は途中で止まります。

閑散期だから、で止まる

閑散期に転換率が下がると、「そもそもニーズがない時期だから」という見方が自然に生まれます。

ECの現場でも、シーズン前に仕込んで、閑散期は広告を絞るという話はよく出ます。どれも必要な判断です。

閑散期に目が向く理由
事業者が見ている場所
閑散期は市場の需要がないから転換率が下がる。広告と値引きで耐えるしかないと考える
残っている可能性
ページに来ている日常用途の読者に、自分用として買う理由が届いていない。需要がゼロなのではなく、ページが自分用の読者に合っていない可能性がある

閑散期にページへ来る読者が、まったく興味のない人とは限りません。何らかの用途や目的を持って検索し、ページにたどり着いています。

問題は、そのページが「ギフトを探している人のためのページ」のままになっていることです。自分用に見ている読者が、自分のために買う理由を受け取れなければ、購入には進みにくいままです。

広告を増やす場合。
広告を増やすことと、転換率を上げることは別です。広告はページに人を連れてきます。ただ、ページがギフト用のままなら、自分用に見ている読者には買う理由が届きにくい。アクセスが増えても、ページ内で止まっている場所が残っていれば数字は動きにくいままです。

広告を増やしても、止まったまま

閑散期の対策として、RPP広告のキーワードや入札単価を見直す。自分用、普段使い、日常といった言葉に寄せる。

方向としては自然です。ただ、アクセスは少し変わっても、転換率は変わらないことがあります。

広告を増やしても止まる理由
事業者が信じている原因
広告のキーワード設定や入札単価が合っていないから閑散期に売れないと考える
残っている可能性
ページ自体がギフト用のままになっている。自分用に来た読者が、ページ内で買う理由を受け取れていない

広告でできるのは、読者をページへ連れてくることです。ページに来た後、自分用として見続けるかどうかは、ページの中身で決まります。

自分用のキーワードで来た読者に、「大切な方への贈り物に」という話だけを届け続けると、読者はページと自分の状況のズレを感じて離脱します。

広告運用を見直す場合。
広告代理店や運用コンサルは、キーワード、入札、予算配分を整える役割を担います。これは必要な仕事です。ただ、ページに来た読者が買う理由を受け取っているかは、別に確認する必要があります。

「自分用に」を足しても変わらない

通年で売れるようにするため、商品タイトルやサムネイルに「自宅用にも」「自分へのご褒美に」という言葉を足す。

短期的にクリックが変わることはあります。ただ、転換率が動かないことも多い。

コピーだけ変えても残る問題
市場で選ばれやすい手段
キーワードを通年系に変更し、トップ画像に「自分用」「自宅用」「ご褒美」の言葉を追加する
それでも残る問題
コピーを足しても、その後のページが贈り物の話だけで進んでいれば、自分用に見ている読者は買う理由を受け取りにくい

「自分へのご褒美に」というコピーをトップに置いた瞬間に、通年で売れるページになるわけではありません。

その後のページで、読者が自分の日常に取り入れる理由を受け取れなければ、表面のコピーだけが浮きます。

デザイン会社にページのリニューアルを依頼しても、同じ結果に終わることがあります。見た目が整っても、ページ全体が贈り物の話だけで進んでいれば、自分用の読者は途中で止まります。

イベント後に売上が止まるページの3つの状態

贈り物の話だけで終わっている

ページ全体の流れが、ギフト用途を起点にしたまま運用されている。〇〇の記念に。感謝の気持ちを込めて。大切な方へ。

イベント期間の読者には届きます。ただ、日常の用途で来た読者は、自分の購入目的とページの話がズレていると感じます。

「自宅用にも」が届いていない

「この商品は通年で使えます」「自宅用にも最適です」と書かれていても、それだけでは自分用の買う理由になりにくい。

自宅用としてどう使うのか。どんな場面で欲しくなるのか。日常の中でどんな意味があるのか。そこまで届いていなければ、ただの説明として通過されます。

最後は価格とレビューで比べられる

日常用途の読者に向けた買う理由が届いていないとき、読者はモール内の別の比較に戻ります。

価格、レビュー数、知名度。そこだけで比べられると、閑散期の転換率は競合の値引きやレビュー数の影響を受けやすくなります。

イベント後も進むページ、止まるページ

止まるページは、情報を揃えることで改善しようとしています。商品スペック、成分、製法、受賞歴。情報の量はあっても、自分用に見ている読者が買う理由を受け取れない。

イベント後も進むページでは、読者が「今の自分の日常にこれが必要な理由」を、ページの前半で受け取っています。

イベント後の購入を進めるのは、広告費の増額や値引きだけではありません。
「自分のために今買う理由」が、日常の読者に届いている状態です。

以下の状態が続いているなら、広告費を増やす前に確認すべき場所があります。

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イベント後に売上が止まるなら、ページ内で日常の読者が止まっている場所が残っている可能性があります。
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まとめ

ECでは、閑散期対策として広告調整、クーポン、キーワード変更が語られてきました。どれも必要な場面があります。

ただ、それだけではページ内で読者が止まっている場所は変わりません。ページが贈り物向けのままだと、自分用に見ている読者には買う理由が届きにくくなります。

イベント後に売上が止まるときは、広告費を増やす前に、ページ内で日常の読者がどこで止まっているかを確認する。そこが見えると、広告費や値引き以外に見る場所ができます。