広告費は消えた。読者は競合へ行った。
セラーセントラルを開く。SP広告のレポートを見ると、インプレッションとクリックは増えている。しかしユニットセッション率は変わらない。
スクロール深度を確認できるツールで見ると、多くの読者がページを開いてからほとんどスクロールせずに離脱している。
ページ下部には「この商品に関連する商品」の広告枠が並んでいる。自社より安い競合商品、自社より多くのレビューを持つ競合商品。読者が離脱した先は、その枠であることが多い。
広告費を払って連れてきた読者が、自社ページを踏み台にして競合へ向かっている。広告費だけが消え、成約は競合が取る。
その状態では、A+やレビューまで読まれる前に離脱します。
直帰されるのは商品力のせいだ。レビュー数が足りないから仕方ない。そう考えるのは自然です。
Amazon運用では、SEOや広告で集客を増やす改善が語られやすい。もちろん必要です。ただ、ページに来た読者が最初に何を受け取っているかを見ないまま広告だけを強めても、直帰率は下がりにくいままです。
キーワードの壁で、止まる
Amazon商品ページのバレットポイントは、SEOのためにキーワードを入れる場所として扱われることがあります。
「○○対応」「◎◎素材使用」「長さ△△cm」。スペック情報がキーワードと一緒に詰め込まれる。デスクトップでは整って見えるが、スマートフォンではテキストの塊になります。
スマートフォン画面で素早くスクロールする読者にとって、バレットポイントの最初の一文は「読むかどうか」の判断材料になります。
その一文が「○○対応・△△素材」というスペック情報から始まると、読者は「このカテゴリのスペック表だ」と処理しやすい。そこで読む理由が見当たらなければ、ページを閉じるか、下部の競合広告枠へ向かいます。
A+を読む前に、帰っている
A+コンテンツに「創業者のこだわり」「素材の産地」「製造工程の写真」を美しく配置している。デザインの完成度は高い。
しかしユニットセッション率は変わらない。ヒートマップを見ると、多くの読者がA+コンテンツが始まる前にページを離脱している。
読者がA+コンテンツを読むのは、タイトル、バレットポイント、2〜3枚目の画像を通じて「この商品は自分に関係があるかもしれない」と感じた後です。
その入口がない状態では、A+がどれだけ丁寧に作られていても、読まれる前に離脱が起きます。
確かにAmazonはページの自由度に制約があります。ただ、タイトル、バレットポイント、画像の順番、A+の冒頭という限られた要素の中でも、読者が「自分に関係がある」と感じられるかを見る余地はあります。
スマホだから読まない、ではない
スマホユーザーは文章を読まない。だからページを整えても直帰は防げない。そう考えることがあります。
しかし、同じカテゴリの競合が自社より高いユニットセッション率で売れているなら、スマホだから読まれないだけでは説明できません。
読者が読まないのは、読まない習性があるからとは限りません。読む理由が提示されていないことがあります。
ページ冒頭で「この情報は自分に関係する」と感じたとき、読者はスマートフォン画面でもスクロールを続けます。2〜3枚目までに読む理由が届いているかで、離脱の起き方は変わります。
1枚目の後で、期待がズレる
メイン画像で高めた期待が、続かない
1枚目の画像でインパクトを出すために、実際の商品よりも「すごそうな雰囲気」を演出する。クリック数は増える。
しかし2枚目以降で、その演出と商品の実態にズレを感じた読者が離脱することがあります。メイン画像が引き寄せた読者の期待が高いほど、2枚目以降のズレが直帰率を押し上げる。
1枚目と2枚目以降は、一本の流れとして見られます。1枚目が示した期待を、2枚目以降が「なぜこの商品を見るべきか」として受け継ぐとき、読者はスクロールを続けます。
自社ページが競合への踏み台になっている
ページ下部の「この商品に関連する商品」の広告枠は、Amazonが自動で配置します。直帰した読者が次に向かう先として競合商品が並ぶ。
自社ページの直帰率が高いと、広告費を払って集めた読者が、自社ページを通じて競合へ案内される状態になります。
この流れを変えるには、ページ内で読者が「この商品を見続ける理由」を受け取る必要があります。直帰を防ぐことは、競合広告枠への誘導を止めることでもあります。
以下の状態が続いているなら、広告設定やデザイン変更より先に確認すべき場所があります。
- SP広告のクリック数は増えているのにユニットセッション率が変わらず、ACOSが悪化している
- A+コンテンツを作り込んでいるが、ヒートマップで確認するとA+まで読まれる前に離脱が多発している
- バレットポイントにキーワードを詰め込んでいるが、スマートフォン表示で読まれている手応えがない
- 価格やクーポンを調整して一時的に改善するが、より安い競合が出るたびに読者が流れていく状況が続いている
読者が最初に何を受け取っているかを確認します。
URLを送るだけで、2営業日以内に診断レポートをお送りします。
まとめ
Amazon運用では長く、SEOのキーワード最適化、広告のターゲティング精度、A+コンテンツの充実が改善策として語られてきました。どれも必要です。
ただ、ページを開いた読者が冒頭で「自分には関係ない」と感じているなら、A+やレビューまで読まれる前に離脱します。広告費を増やしても、その離脱が増えるだけになることがあります。
直帰率が変わらないときは、次の広告予算の前に、ページ冒頭で読者が何を受け取っているかを確認する必要があります。