読者はA+を通り過ぎる

セラーセントラルを開く。A+コンテンツを公開してから一定期間が経った。ユニットセッション率を見る。公開前とほとんど変わっていない。

サードパーティのヒートマップツールで確認すると、読者はA+内の画像をほぼスクロールせず、ページ下部に表示される類似商品や関連商品の枠へ流れている。

一方で競合を見ると、A+がない、あるいはシンプルな画像を数枚並べただけの商品ページが、自社より上位にいる。デザインの差なのか。モジュールの使い方なのか。答えが見つからないまま、画像を差し替え、キャッチコピーを変え、別のモジュールを試す。それでも数字は動かない。

A+を整えても、読者が読んでいなければ数字は動きません。
最初に見るべきなのは、A+を含めたページ全体で「これを選ぶ理由」が届いているかです。

手を動かし続けてきたこと自体は、自然な判断です。Amazonのセラー向けメディアも、コンサルも、運用代行会社も、長く「A+を充実させることでページの完成度が上がる」と語ってきました。

ただ、情報を整理するだけでは、買う理由がどこで止まっているかは見えません。A+を作り込む前に、読者が何を受け取れていないのかを見る必要があります。

スペックを並べるほど、比較に戻る

AmazonのA+コンテンツでよく見られるのは、スペックと特徴を視覚的に整理した見せ方です。素材、サイズ、機能、認証。これらを図解やアイコンとともに並べる。読者に情報が届いているように見えます。

ただ、この見せ方が効くのは、読者がその指標で選ぶ意味を理解している場合です。読者がまだ「どれも似ている」と感じている状態では、スペックを並べた瞬間に、同じ指標で他社商品との比較が始まります。

A+コンテンツで起きやすいこと
よくある認識
A+でスペックと特徴を分かりやすく整理すれば、読者に商品の価値が伝わる
実際に起きやすいこと
スペックを並べるほど、読者は同じ指標で他社商品を見に行く。比較の物差しを渡しても、その物差しで勝てるとは限らない

Amazonの商品ページ下部には、類似商品や関連商品の枠が表示されます。スペック比較に戻った読者は、その枠から競合へ自然に流れます。

A+が商品の説明として機能しているように見えて、実際には競合比較への入口になっている。こういう状態は珍しくありません。

買う気はある。でも決めきれない

「Amazonのユーザーは購買意欲が高いから、A+はさらっと見せるだけでいい」という考え方があります。たしかに、Amazonに来る読者は何かを買うつもりで検索しています。

しかし、その購買意欲は「このカテゴリで何かを買おう」という段階です。「この商品を選ぶ」と決めているわけではありません。

決めきれない読者には、「本当にこれでいいのか」という迷いが残ります。その迷いが残ったままページのスクロールが終わると、読者はカートに入れません。ページを閉じるか、類似商品へ移動します。

即決に近い購買が起きるカテゴリもあります。
ただ、単価が上がる商品、用途の適合確認が必要な商品では、「本当に自分に合うか」という迷いが残ります。A+がただの補足説明になっていると、その迷いは残ったままです。

デスクトップで作ったA+と、スマホで見られるA+のズレ

AmazonのA+コンテンツは、デスクトップ画面で確認されることが多いです。横幅いっぱいに展開されるバナー画像、左右に並ぶ比較モジュール。デスクトップでは意図通りに表示されます。

しかしスマートフォンアプリでは、これらのモジュールが縦に積み替えられ、バナー画像内のテキストは縮小されます。文字が読めない。比較表が縦に崩れて意味が伝わらない。作った側が見ているA+と、読者が見ているA+が別物になっていることがあります。

実績バナーだけでは止まらない

A+の冒頭に、ランキング受賞バナーや星評価を強調したビジュアルを置くケースがあります。信頼性を先に示すためです。

ただ、競合の多くも同じような実績バナーを持っています。同じ場所に同じ形式で実績を並べていると、読者はそれを「このカテゴリではどこも出している情報」として処理します。差にはなりません。

実績は、読者が「この商品は自分に必要か」を考えている途中で出てくると機能します。まだ何の商品なのか、何を解決してくれるのかが腹落ちしていない状態でランキングを見せても、選ぶ理由にはなりにくい。

以下の状態が続いているなら、A+のデザインより先に見るべき場所が残っています。

無料診断
A+を直す前に、止まっている場所を見る。
A+の問題に見えていた箇所が、実はページ上部や説明の順番で止まっていないかを確認します。
URLを送るだけで、2営業日以内に診断レポートをお送りします。
A+を作り直す前に診断する
※営業電話は一切いたしません。

まとめ

A+は商品情報を補足する場所。そう考えると、画像やモジュールの改善に目が向きます。もちろん、それらは必要です。

ただ、買う理由がページ全体で届いていなければ、A+を作り込んでも数字は動きにくいままです。タイトル、バレットポイント、A+。この流れの中で、読者がどこで「これを選ぶ理由」を失っているかを見る必要があります。

ユニットセッション率が動かないとき、A+の作り直しより先に、ページ全体で止まっている場所を確認する。そこから、A+の役割も変わります。