キーワードを詰め込むほど、読者が読まなくなる

SEOツールを開く。検索ボリュームの多いキーワードを抽出する。バレットポイント5行に散りばめる。文字数制限ギリギリまで詰め込む。

スマートフォンで確認すると、キーワードが連なった箇条書きが「文字の壁」として表示されている。読者はその壁をスクロールで飛ばす。ユニットセッション率は変わらない。

アクセスは増えたのに、購入率は動かない。この状態は珍しくありません。キーワードの詰め込みは、検索アルゴリズムに向けた作業です。しかし、ページを訪れた読者が「これを選ぶ理由」を受け取るかどうかは、キーワードの量では決まりません。

キーワードを増やすことと、購入率が上がることは別です。
検索に表示される機会が増えても、ページ内で買う理由が届いていなければ、ユニットセッション率は動きにくいままです。

SEOは検索順位やアクセス数として見えやすい。だから、Amazon改善ではキーワード最適化が最初に語られやすい。

もちろん、キーワードは必要です。ただ、キーワードは読者をページへ連れてくるための情報です。ページの中で読者に買う理由を届ける情報とは、役割が違います。

スペックを書けば書くほど、比較の材料を競合に渡す

お客様は細かいスペックを気にする。そう考えて、バレットポイントを書く。「サイズ:○○cm」「重量:○○g」「素材:○○使用」。詳細なスペック情報が並びます。

ただ、読者がそれを読むとき、同時に「このスペックで競合と比較しよう」という行動に入りやすくなります。スペックが詳しいほど、「同じスペックでより安い競合はないか」という確認が始まる。

キーワードに目が向く理由
セラーが見ている場所
商品説明文のキーワード網羅性やスペックの詳しさが足りない。より多くのキーワードを散りばめ、スペックを詳細に書けばユニットセッション率は上がるはずだと考える
残っている可能性
スペックを並べるほど、読者は価格とスペックで比較しやすくなる。説明文がカタログ情報の置き場所になっていると、読者は情報を受け取るのではなく、比較の材料として処理する

スペック比較に入った読者は、より安い競合、よりレビューの多い競合へ流れます。詳細なスペックを書くことは、「この商品の仕様を他社と比べてください」と伝えることにもなります。

スペックは必要です。ただ、スペックの量だけでは「これを選ぶ理由」にはなりません。読者が先に受け取りたいのは、なぜそのスペックが自分に関係するのかです。

形を真似ても、理由は移らない

売れている競合商品の説明文を参考にする。似た構成でリライトする。自社商品の特徴を当てはめる。ページは整います。

しかし、競合ページで売れていた理由まで移るとは限りません。競合の説明文が機能していた理由は、文章の形だけではなく、その商品の特性と読者の状況がつながっていたことにある場合があります。

リライトしても変わらない理由
よくある見立て
AmazonではSEOを上げることが最優先。とにかくキーワードを詰め込むべきだ。また、自社の文章表現が弱いことが売れない原因だと考える
残っている可能性
キーワードの詰め込みはアクセスには関わっても、購入率までは動かしにくい。競合のリライトは文章の形を移すが、読者が「自分に関係がある」と感じる理由までは移せない

読者が説明文を読むとき、最初に見ているのは「この情報は自分に関係するか」です。スペックのリストは、商品の仕様情報として処理されます。

自分に関係する情報として受け取れなければ、読者はスクロールを止めます。文章の上手さだけの問題ではありません。最初に何を届けるかの問題です。

AIで生成した商品説明文について。
AIは整った文章を作れます。ただ、読者が「なぜ自分に必要なのか」と感じる入口までは、自動では入りにくい。だから、文章としては自然でも、どこかで見たような商品説明になりやすい場合があります。

書き方の前に、届けるものがある

Amazonの箇条書きには何をどの順番で書けば売れるのか。文字数は多い方がいいのか、短い方がいいのか。SEOと読みやすさのバランスをどう取るか。

この悩みは自然です。けれど、書き方を探すほど、最初に見るべき場所から離れることがあります。

よく選ばれる改善策
市場で選ばれやすい手段
外部SEOツールで検索ボリュームの多いキーワードを抽出し、不自然にならないように説明文へ散りばめる。またはAIを使って、魅力的なキャッチコピーと商品説明文を自動生成する
それでも残る問題
SEOツールは検索に表示される機会を増やすために使うもの。AIは整った文章を作るもの。どちらも、読者に「これを選ぶ理由」が届いているかまでは保証しない

時間をかけても、数字が動かない

最初の一文が、比較の入口になっている

スマートフォンで商品ページを開いた読者が最初に目にするのは、タイトル下のバレットポイントの冒頭です。

その一文が「○○対応・△△素材」というスペック情報から始まるとき、読者は「このカテゴリのスペック表だ」と処理します。自分に関係する情報かどうかを判断する前に、スペック情報の並びとして見られる。

バレットポイントの最初の一文は、読者がそのページを読み続けるかどうかの分岐点です。そこがキーワードとスペックで埋まっていると、読者が「これは自分に関係がある」と感じる前に離脱が起きます。

何時間かけたかではない

説明文の推敲に何時間もかける。キーワードの配置を調整する。文章表現を磨く。完成度は上がる。しかしユニットセッション率は変わらない。

時間をかけた量とユニットセッション率への影響は、必ずしも比例しません。見るべきなのは、読者が最初に何を受け取っているかです。

以下の状態が続いているなら、説明文の書き直しより先に確認すべき場所があります。

無料診断
説明文を書き直す前に、止まっている場所を見る。
説明文を書き直しても数字が動かないなら、最初に届ける情報がズレている可能性があります。
読者がページ冒頭で何を受け取っているかを確認します。
URLを送るだけで、2営業日以内に診断レポートをお送りします。
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※営業電話は一切いたしません。

まとめ

Amazon運用では長く、商品説明文とバレットポイントはSEOのためのキーワード配置場所であり、スペックを分かりやすく伝える場所として語られてきました。どちらも必要です。

ただ、その見方だけになると、キーワードやスペックを増やす方向に目が向きます。結果として、ページを見た読者に「これを選ぶ理由」が届いているかを見落としやすくなります。

説明文を書き直す前に、バレットポイントの冒頭で読者が何を受け取っているかを確認する。そこが見えると、書き直すべき内容も変わります。