安いのに、負けている
競合商品のページを確認する。自社より1000円高い。レビュー数も大きくは変わらない。それでも売れている。検索結果ではベストセラーバッジも付いている。
一方、自社は最安値付近にある。価格だけ見れば有利なはずです。それでも注文数が競合に届かない。
なぜ高い方が売れているのか。ここで見るべきなのは、価格差ではありません。読者がそのページで、安さ以外の理由を受け取っている可能性です。
ページを見た読者に「これを選ぶ理由」が届いていなければ、安くしても選ばれる理由は増えません。
Amazonでは、最安値が強いと言われ続けてきました。たしかに価格は重要です。価格が高すぎればクリックされにくくなる。比較候補から外れることもあります。
ただ、その見方だけになると、高い競合が売れている理由を見落とします。読者は必ずしも最安値だけで選んでいるわけではありません。
安さが、警戒されることもある
自社が最安値付近にあるのにユニットセッション率が低い。このとき、読者は「安いから買う」ではなく、「なぜこんなに安いのか」と見ている場合があります。
A+コンテンツで「自社工場直販だから安い」「中間マージンを削っている」と説明する。安さの理由は伝わります。しかし、それだけで購入につながるとは限りません。
「自社工場直販だから安い」という説明は、企業側の事情です。もちろん必要な情報になることはあります。けれど、読者が知りたいのは、企業がなぜ安くできるかだけではありません。
自分の用途に合うのか。失敗しないのか。なぜ他ではなくこれなのか。そこが届いていなければ、安さは警戒の理由として残ります。
定価に戻すと、また止まる
安くすればお試しで買ってもらえる。そう考えて赤字覚悟のセールを実施する。一時的に売れる。しかし定価に戻した瞬間に、売上が止まる。
やはり価格を維持すると売れない。そう感じるのは自然です。けれど、定価に戻して止まるのは、価格が理由で選ばれた実績だけが積み上がっているからかもしれません。
セールでレビューが増えても、「コスパが良かった」という感想に寄りやすい。商品の価値に納得して選ばれたレビューとは、残る言葉が変わります。
価格で集まった読者は、価格で離れます。次のセールまで売上が戻らない。この循環に入ると、いつ定価で売れるようになるのかが見えなくなります。
価格で戦っている限り、さらに安い商品が出るたびに引きずられます。必要なのは、安さで勝つことではなく、安さ以外で選ばれる理由をページに作ることです。
クーポンを切ると、また止まる
さらに強いクーポンを発行する。ポイント還元率を上げる。実質価格で圧倒的な最安値を狙う。短期的に数字が動くことはあります。
クーポンで転換率が上がったとき、それは価格で迷いを後押しした結果です。「この商品だから選んだ」という理由が増えたとは限りません。
クーポンが終わるたびに同じ状態へ戻る。価格で動いた数字は、価格が消えると止まりやすい。ここを見ないまま次の割引を続けても、利益は残りにくいままです。
1000円高い競合は、何を渡しているのか
高い競合が売れているページを見る
価格が高くても売れている商品ページでは、バレットポイントの冒頭や2〜3枚目の画像で、価格やスペックより先に「自分に関係がある」と感じる情報が届いている場合があります。
読者はそこで、価格以外の理由を受け取る。すると、その後のスペックやレビューは、ただの比較材料ではなく、選ぶ理由を補強する情報として読まれます。
外側から真似できるのは、画像の雰囲気や見出しの形です。ただ、どこで読者が「自分に関係がある」と感じているかまでは、ページ全体を読まないと見えません。
無名だから安くするしかない、の前に
無名ブランドだから安さで勝負するしかない。そう考えるのは自然です。知名度がない商品は、最初の不安を越える必要があります。
ただ、無名であることと、安さ以外で選ばれないことは同じではありません。知名度がなくても、ページを見た読者に「これを選ぶ理由」が届けば、価格以外で選ばれる可能性はあります。
安さで勝負するしかないと決める前に、ページで安さ以外の判断材料が届いているかを見る必要があります。
以下の状態が続いているなら、次の値下げの前に確認すべき場所があります。
- 競合より安くしているのにユニットセッション率が競合を下回り、自社より高い競合が売れている
- 赤字覚悟のセールで一時的に売れるが、定価に戻すとピタッと売上が止まるサイクルが続いている
- A+で安さの理由を説明したが直帰率が改善せず、むしろ悪化した
- 低価格帯の海外セラーがさらに安い価格で参入するたびにランキングが落ち、打つ手が見当たらない
ページを見た読者に、安さ以外で選ぶ理由が届いているかを確認します。
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まとめ
Amazonでは長く、競合の価格を調べて、競合より安く設定することが差別化の基本として語られてきました。後発品はまず安さで戦う。この見方も自然です。
ただ、安くしても選ばれないページには共通点があります。ページを見た読者に、安さ以外で選ぶ理由が届いていないことです。
安さの理由は企業の事情です。読者が知りたいのは、自分にとってこの商品を選ぶ理由があるか。次の値下げより先に、そこが届いているかを確認する必要があります。