変えた。飛ばされた。

「コピーが弱いからクリックされないんだ」と考えた。強い言葉に変えた。クリック率は動かなかった。

スマホの検索一覧でバナーがどう見えているかを確認した。文字が多すぎた。高速スクロールの中で読まれていなかった。

「もっとインパクトのある言葉を使えばいい」と考えてさらに変えた。クリック率は変わらなかった。

コピーの表現力が弱いわけでも、デザインのセンスが足りないわけでもありません。
楽天の検索一覧では競合も同じような言葉を並べているため、「強い言葉」そのものがスクロールで飛ばされやすくなっています。

EC業界では長年、「インパクトのあるキャッチコピーと目立つバナーがクリック率を決める」という流れで語られてきました。制作会社も、コピーライティングのノウハウ記事も、その方向で説明してきました。

だから、まずコピーを強くしようとするのは自然です。ただ、そのまま続けると、クリックされない場所は見えないまま残ります。

強くしたのに、さらに飛ばされた

競合のバナーを調べた。「楽天1位」「今だけ送料無料」「限定セール中」という言葉が並んでいた。自社も同じ方向で強化した。

クリック率は上がらなかった。むしろ検索一覧で目立ちにくくなった感覚があった。

楽天の検索一覧では、多くの店舗が同じような煽り文句を使っています。来た人は似たような言葉が並んでいる中を高速でスクロールしている。その状態では、コピーをいくら強くしても「自分に関係があるものではなさそうだ」と判断されやすくなります。

パワーワードで変わること・変わらないこと
パワーワードで変わること
「限定感」「お得感」を感じた人が一時的に反応することがある。特定の購買意欲が高い人の目には止まりやすい
パワーワードでも変わらないこと
来た人が「自分に関係がある」と感じる前にスクロールしている状態。競合も同じ言葉を使っているため、差として機能しにくくなっている

強い言葉が機能するのは、来た人が「自分に関係がある」と感じた後の後押しとしてです。その感覚が先に届いていない状態では、言葉をいくら強くしてもスクロールは止まりにくいままです。

ABテストが誤差の範囲を出ない

「データを取れば答えが出る」と考えてABテストを繰り返した。Aパターンが少し上がった。次はBパターンが少し上がった。再現性のある勝ちパターンが見つからなかった。

ABテストはデータを集める作業として有効です。ただ、テストしている要素がコピーの表現だけだと、誤差の範囲の変動しか出ないことがあります。

コピーのABテストで見えること・見えないこと
ABテストで見えること
どのコピーが相対的に多くクリックされたか。表現の微差によるクリック率の変動
ABテストで見えないこと
来た人がバナーを見る前にスクロールで飛ばしているかどうか。クリックされない場所がコピーの外にあるかどうか
プロのデザイナーへの外注について。
プロにデザインを依頼することはバナーの品質を整える作業として有効です。ただ、来た人が「自分に関係がある」と感じる前に飛ばされている状態では、デザインを変えてもクリック率は動きにくいままです。外注を検討する前に、今のバナーでクリックが止まっている場所を確認することが先になります。

コピーより先に止まっている

クリックされない場合、コピーの言葉より前の場所で止まっていることがあります。

来た人は検索一覧で何十枚ものバナーを高速でスクロールしています。その中で止まるのは「自分に関係がある」と感じた瞬間です。コピーを読んで判断しているのではなく、一瞬の印象で止まるかどうかが決まっています。

ただ、バナーのキャッチコピーを変えてもクリックされないとしても、止まっている場所は一つではありません。

検索一覧で見た瞬間に、商品カテゴリが伝わっていないのか。文字量が多く、読む前に飛ばされているのか。競合と同じ言葉に見えているのか。クリック後のページとの違和感が出ているのか。

同じ「クリックされない」状態でも、直す場所は商品によって変わります。

「自分に関係がある」と感じさせる要素は、コピーの強さだけでは決まりません。ただし、自社バナーのどこで止まっているかは、商品や競合環境によって異なります。記事だけでは判断できません。

以下の状態が続いているなら、次のキャッチコピー変更の前に今のバナーを外から見る必要があります。

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次のキャッチコピー変更の前に

EC業界では長年、「インパクトのあるキャッチコピーと目立つバナーがクリック率を決める最大の要因だ」という流れで語られてきました。コピーライティングのノウハウ記事も、制作会社も、その方向で説明してきました。

だから、まずコピーを強くしようとするのは自然です。ただ、そのまま続けると、来た人が「自分に関係がある」と感じていない場所は見えないまま残ります。

クリック率が動くかどうかは、コピーの言葉の強さだけでは決まりません。来た人が一瞬で「自分に関係がある」と感じるかどうかで変わります。ただし、自社バナーのどこで止まっているかは、記事だけでは判断できません。