足すほど、決められない

競合ページに新しいバッジが増えると、自社も追加する。受賞実績が出れば貼る。お客様の声を10件から30件、50件へ増やす。

スペックの比較表を入れる。保証内容を足す。アイコンで見やすくまとめる。ページはどんどん充実していきます。

しかし、数字は動かない。むしろ、ページを見た読者がどこを見ればいいのか分からなくなる。

「もっと強い特典をつければ」「もっとレビューが増えれば」と考える。理由を足し続けるほど、ページは長くなり、読者の決断は遠のいていきます。

理由が増えるほど、読者は比較に戻ります。
必要なのは、理由の数ではなく「これでいい」と思える一点です。

読者はページに来たとき、「自分はこれを買っていいのか」を見ています。

そこに10個のメリットが並ぶと、読者は納得する前に比較を始めます。他にも似た商品があるかもしれない。もっと安いものがあるかもしれない。レビューが多い方が安心かもしれない。

理由を足すことと、読者が決められることは別です。

足りないから、で増えていく

カゴ落ちが続くと、「まだ説得力が足りないのかもしれない」と考えます。

特典を追加する。保証期間を延ばす。FAQを増やす。レビューを追加する。対策は積み上がります。

理由を足したくなる理由
事業者が見ている場所
買う理由の数と説得力がまだ足りないから、読者がカゴに入れたまま止まっていると考える
残っている可能性
理由が多すぎて、読者が「どれを見ればいいのか」で止まっている。必要なのは理由の追加ではなく、「これでいい」と思える一点が届いているかを見ること

理由が多すぎると、読者は「どれを見ればいいのか」で止まります。

そして価格、レビュー、他社比較に戻ります。メリットが増えるほど、読む負担が増え、決断のタイミングが後ろへずれていきます。

理由を増やす場合。
ECでは、商品の魅力をできるだけ多く伝えることが改善策として語られてきました。これは必要な場面があります。ただ、理由を増やすほど、読者が比較に戻ることがあります。

比較表を出すほど、比べられる

自社の商品は品質で競合に勝っている。だからスペック比較表を出せば選ばれるはずだ。

そう考えて比較表を入れたのに、注文が増えないことがあります。

比較表で止まる理由
事業者が信じている原因
スペックの比較表を見せれば、自社の優位性が明確になり、読者に選ばれると考える
残っている可能性
比較表を出すと、読者はその表の項目で比べ始める。一つでも競合に負ける項目があると、そこで止まることがある

比較表は分かりやすい。読者にも親切です。

ただ、比較表を出すと、読者はその表の項目で比べ始めます。価格、容量、レビュー数、保証、配送。すべてが比較材料になります。

多くの項目で勝っていても、一つの項目で競合が勝っていれば、そこで迷いが生まれます。比較表が悪いのではありません。比較表を出す前に、読者が「自分にはこれでいい」と思えているかを見る必要があります。

特典を足しても、止まる

転換率が動かないとき、「もっと強い特典をつければ決めてくれるはず」と考えます。

限定プレゼント、延長保証、おまけセット。特典は増える。それでもカゴ落ちは止まらない。

特典を足しても残る問題
市場で選ばれやすい手段
特典やノベルティを追加して、お得感を強め、買わない理由をなくしていく
それでも残る問題
商品そのものを選ぶ理由が届いていなければ、特典だけが目立つ。そのとき読者は、商品ではなく条件を見る

特典は、買う気持ちがある読者の後押しになります。

ただ、商品そのものを選ぶ理由が届いていなければ、特典だけが目立ちます。そのとき読者は、商品ではなく条件を見ます。

特典があるから買う。クーポンがあるから買う。この状態が続くと、条件が弱くなった瞬間に選ばれにくくなります。

足すほど止まる3つの状態

一番の理由が見えない

受賞実績、スペック、レビュー、特典、保証。すべてが同じ重さで並ぶと、読者はどこを見ればいいのか分からなくなります。

全てが大切に見えるページでは、一番大切なものが見えません。

情報の量が多いほど、「結局、何が違うのか」が見えにくくなります。

FAQだけが読まれる

FAQを増やすと、そこでの滞在時間が伸びることがあります。

一見、関心が高いように見えます。ただ、実際は不安の確認で止まっていることがあります。返品はできるか。本当に大丈夫か。失敗しないか。

FAQだけが読まれているなら、ページの前半で「これでいい」と思える一点が届いていない可能性があります。

良いことばかりで疑われる

「こんなに良いことばかり書いてある商品は、何かあるのではないか」。この反応は、メリットが多すぎるページで起きます。

良い点を強調するほど、読者が自然に警戒することがあります。

メリットの量は、信頼の量とは一致しません。良いことばかり並ぶほど、読者は裏側を探し始めます。

決められるページ、迷うページ

迷うページは、理由を並べます。

受賞実績、レビュー、保証、特典、スペック。どれも必要な場面があります。ただ、最初に「自分にはこれが必要だ」と思える一点が届いていなければ、情報は比較材料として処理されます。

決められるページは、最初に「自分にはこれでいい」と思える一点を届けます。

その後に届く情報は、比較材料ではなく後押しになります。理由の数が少なくても、読む順番が合っていれば読者は進みます。

決断を進めるのは、情報の量ではありません。
読者が「これでいい」と思える一点を、ページの前半で受け取れているかどうかです。

以下の状態が続いているなら、「買う理由を足す」という発想の限界に来ています。

無料診断
足す前に、止まっている場所を見る。
情報を足しても転換率が動かないなら、ページ内で読者が止まっている場所が残っている可能性があります。
どこで「これでいい」と思えていないかを確認します。
URLを送るだけで、2営業日以内に診断レポートをお送りします。
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※営業電話は一切いたしません。

まとめ

ECでは、転換率を上げる手段として、理由を増やすこと、メリットを多く伝えること、読者が断れないほど情報を揃えることが語られてきました。どれも必要な場面があります。

ただ、理由を増やすほど、読者が比較に戻ることがあります。理由の数が増えても、「これでいい」と思える一点が届いていなければ、決断は遠のきます。

理由を足す前に、ページ内で読者がどこで止まっているかを見る。そこが見えると、足す情報、削る情報、先に届ける情報の見方が変わります。