足すほど、青くなる

競合に勝つために情報を加える。成分の詳細、製法の説明、受賞歴の画像、お客様の声のバナー。一つ追加するたびに「これで伝わるはずだ」と思う。

デザイナーに整えてもらい、ページは見た目上きれいにまとまった。しかしヒートマップを見ると、丁寧に作り込んだ箇所で読者の大半が離脱していた。

「情報が整理されていないから読まれないのかもしれない」と考え、再び整える。箇条書きを増やし、図解を入れ、フォントを調整する。再確認すると、またその箇所が真っ青になっている。

情報を足しても読まれないのは、情報量だけの問題ではありません。
読者が「この情報は自分に関係ある」と感じる前に、詳しい説明が届いています。

読者はページに来たとき、情報を読む前に「このページは自分のためのものか」を判断しています。

その判断ができないまま詳しい情報が続くと、読者にとっては関係のない説明が増えていく状態になります。情報を足すほど、読む負担だけが増えます。

足りないから、で止まる

ヒートマップで離脱が多い箇所を見つけると、「この部分の情報が不十分だから読まれない」と考えたくなります。

その見方に従い、説明を詳しくする。画像を追加する。文字を増やす。しかし離脱は止まらない。

情報量に目が向く理由
事業者が見ている場所
商品の魅力を伝える情報がまだ足りないから、読者に良さが届かず離脱していると考える
残っている可能性
読者が「このページは自分のためのものだ」と感じる前に、詳しい情報が届いている。情報量ではなく、読む理由が届く前に説明が始まっている

情報が読まれるには、先に「読む理由」が必要です。

それがないまま説明を増やしても、読者には関係のない説明として通過されます。情報を足すことと、情報が読者に届くことは別です。

情報を増やす場合。
ECでは、情報を増やすことが改善策として語られてきました。商品の魅力を詳しく伝えることは必要です。ただ、読む理由が届く前に情報を増やしても、読者の負担だけが増えることがあります。

整えても、読まれない

情報量が多くなったとき、次の施策はデザインによる整理になりやすい。箇条書きにする。図解を入れる。フォントの大きさを調整する。

視覚的に整理されたページは仕上がります。しかし転換率は変わらない。

整えても読まれない理由
事業者が信じている原因
情報が見づらく整理されていないから読まれない。デザインで見やすくすれば伝わるはずだと考える
残っている可能性
読者が読む理由を持っていない。見やすくなっても、自分に関係がある情報として受け取られなければ通過される

デザインは情報を見やすくします。

ただ、読者が読む理由を持っていなければ、見やすくなった情報も通過されます。「見やすいけど読まない」という状態は、情報の見せ方だけでは変わりません。

強いウリを上げても、止まる

長いページを改善しようとすると、「一番言いたいことをファーストビューに持ってくる」という施策が取られることがあります。

最も強いウリをページの最上部に大きく表示する。クリックやスクロールに変化が出ることはあります。ただ、転換率が動かないこともあります。

結論を上げても残る問題
市場で選ばれやすい手段
一番強いウリや結論をページの最上部に配置して、ファーストビューで価値を伝える
それでも残る問題
読者がその価値を自分に必要なものとして受け取る前に出しても、価格やレビューとの比較に戻りやすい

強いウリを上に出すこと自体は悪くありません。

ただ、読者がそれを自分に必要なものとして受け取る前に出しても、価格との比較に戻りやすくなります。「良さそうだけど、この価格を出す理由が分からない」という離脱が残ります。

情報過多のページに共通する3つの状態

誰も削れないページになる

情報量が増えたページでは、「削ると売上が落ちるかもしれない」という不安が生まれます。

過去のバナー、古い説明文、一度使ったキャンペーン画像。それぞれを削除する判断ができないまま積み上がり、増改築を繰り返した建物のような状態になります。

情報を足しても数字が変わらなかったとき、「この情報があるから最低限売れている」という見方が生まれることがあります。その見方が削除をさらに難しくし、ページは長くなり続けます。

一番のウリが見えなくなる

情報が多いページでは、結局この商品の一番の強みは何かが見えにくくなります。

成分も、製法も、受賞歴も、お客様の声も、すべてが同じ重さで並んでいる。読者はどこに注目すればよいか判断できません。

判断に困った読者は、最も比べやすい軸に戻ります。価格です。「良さそうだけど、どれが特に良いのか分からない。なら安い方にしよう」という流れが生まれます。

開く前に離脱される

画像を大量に追加したページは、表示速度が遅くなることがあります。

スマートフォンで開いたとき、ページが表示される前に読者が離脱する。ヒートマップで見える離脱は、ページが表示された後のデータです。表示前の離脱は見えにくいまま残ります。

この場合、デザインで整理するだけでは足りません。どの情報を残し、どの情報を後ろに回すかを見る必要があります。

読まれる情報、流される情報

情報量が多くても転換率が高いページはあります。

違いは、情報の量ではなく、情報が届く順番です。読者がページを読み進む中で「これは自分に関係がある」と感じ、その後に届く詳細情報が後押しになります。

情報量が多くて転換率が低いページでは、その順番がありません。読者がまだ「自分に関係がある」と感じる前に、詳細な情報が次々と届きます。

転換率を下げているのは、情報の量だけではありません。
読者が「この情報を読む理由」を持つより先に、情報が届いていることです。

以下の状態が続いているなら、情報を足す前に確認すべき場所があります。

無料診断
情報を足す前に、止まっている場所を見る。
情報を追加しても転換率が動かないなら、ページ内で読者が止まっている場所が残っている可能性があります。
どこで読む理由が届いていないかを確認します。
URLを送るだけで、2営業日以内に診断レポートをお送りします。
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※営業電話は一切いたしません。

まとめ

ECでは、情報量が多いページは丁寧で信頼できるページとして見られやすい。商品の魅力を詳しく伝えることは、必要な場面があります。

ただ、読者が「この情報を読む理由」を持つ前に情報を増やしても、読み飛ばされる情報が増えるだけです。

情報を足す前に、ページ内で読者がどこで止まっているかを見る。そこが見えると、残す情報、後ろに回す情報、削る情報の見方が変わります。