指摘はある。答えがない。

Zoom画面に映る代理店の担当者が、ROASのグラフを示しながら言う。「今月は競合が強くなっており、LPのCVRが低い状態が影響しています」。

そこまでは分かります。ではLPをどう変えれば転換率が上がるのか。そう聞くと、返ってくる答えは「ファーストビューを見直しましょう」「購入ボタンを大きくしましょう」です。

その提案を実施する。転換率は変わらない。翌月の定例でも、同じグラフが映ります。「競合が強くなっています」「市場のトレンドが変化しています」。外部環境の話が続く。

代理店が転換率の改善に答えられないのは、担当者のスキルだけの問題ではありません。
代理店の仕事は、読者をページへ連れてくることです。ページを見た読者が「買う理由」を受け取れているかは、別で見る必要があります。

ECでは、広告運用とLP改善がセットで語られることがあります。どちらも必要な仕事です。ただ、役割は同じではありません。

広告運用は、誰を、どれくらいの費用で、どれだけページへ連れてくるかを見る仕事です。ページ改善は、その読者がページの中で買う理由を受け取れているかを見る仕事です。

代理店を替えても、同じ指摘が返ってくる

転換率が上がらないとき、「今の代理店の担当者が合っていないのではないか」と考えるのは自然です。

代理店を替えれば、広告運用の精度は変わることがあります。キーワード、入札、配信先、クリエイティブの改善が進むこともあります。

代理店に目が向く理由
事業者が見ている場所
もっと優秀な広告代理店に替えれば、集客も転換率もまとめて改善してもらえるはずだと考える
残っている可能性
代理店を替えて広告運用が良くなっても、ページを見た読者が買う理由を受け取れていなければ、転換率は変わりにくいまま残る

代理店の変更で、広告の入り口は変わります。ただ、ページの中身は変わらないままです。

連れてきた読者が、ページの前半で「なぜこの商品なのか」を受け取れていなければ、広告の精度が上がっても購入には進みにくいままです。

商品力の話になる場合。
「広告の反応が悪いのは商品力のせいではないか」という話が出ることがあります。商品力はもちろん重要です。ただ、同じ商品でも、ページで買う理由が届いているかによって転換率は変わります。商品力に戻す前に、ページで読者がどこで止まっているかを見る必要があります。

一括対応が届く場所と、届かない場所

LP制作から広告運用まで一括で請け負う総合代理店に乗り換える。一社にすべてを任せれば、集客から購入まで責任を持って改善してもらえるはずだと期待する。

一括対応は便利です。窓口が減り、進行も分かりやすくなります。広告の入稿、バナー制作、LP制作をまとめて動かせる。

一括お任せで残る問題
事業者が信じている原因
LP制作から広告運用まで対応できる総合代理店なら、売れるLPまでまとめて作ってくれるはずだと考える
残っている可能性
完成するのは、広告運用と見た目を整えたLPであって、ページを見た読者に買う理由が届く流れとは限らない

作業が分かれているほど、ページを見た読者がどこで止まっているかは見えにくくなります。

商品情報をテンプレートに当てはめ、見た目を整え、広告を回す。その流れ自体は進みます。ただ、読者がページの中で買う理由を受け取れているかが見られていなければ、転換率は動きにくいままです。

ボタンを変えても、動かない

代理店の指摘に従い、ボタンの色を変える。ファーストビューのバナーを差し替える。キャッチコピーの一部を修正する。

数字に変化が出るかABテストを行う。しかし転換率は変わらない。あるいは誤差の範囲でしか動きません。

ABテストで動かない理由
市場で選ばれやすい手段
ボタンの色、バナーの見た目、キャッチコピーの一部を変えるなど、表面的な要素のABテストで購入率を改善しようとする
それでも残る問題
ページを見た読者が買う理由を受け取れていない状態では、ボタンやバナーを比べても差が出にくい

ABテストは悪い施策ではありません。ページの要素を比較し、より良い方を選ぶために必要です。

ただ、ページを見た読者が買う理由を受け取れていない状態では、どちらのボタンが良いかを比べても、転換率は大きく動きにくい。先に見るべきなのは、どこで読者が止まっているかです。

広告費を使っても数字が動かない3つの状態

毎月の定例が「数字の報告会」になっている

ROASの数字を確認し、先月と比較し、外部環境の変化を説明される。「競合が強くなっています」「季節要因があります」。これらは事実かもしれません。

ただ、ページを見た読者が何を受け取り、どこで止まっているかが定例の議題に出てこない。数字は整理されても、ページの中で何を変えるかは後回しになります。

「LPを直せ」で止まっている

代理店から「LPのCVRが低い」という指摘を受ける。では誰がどう直すのかが曖昧なまま、定例が終わります。

自社にLP改善の専門性はない。代理店に聞いても、ボタンやバナーの話になる。結果として、「LPのCVRが低い」という診断だけが月次で繰り返されます。

広告予算を増やすとCPAが悪化する

売上を増やそうと広告予算を増やす。アクセスは増える。しかしCPAが悪化します。より多くの費用を使って、利益率が下がる。

転換率の低いページへアクセスを増やすことは、穴の空いたバケツに水を注ぐ量を増やすことに近い。水の量が増えても、穴が残っていれば溜まりません。

以下の状態が続いているなら、代理店の変更より先に確認すべき場所があります。

無料診断
広告費を使い続ける前に、止まっている場所を見る。
広告費を使っても転換率が変わらないなら、ページ内で読者が止まっている場所が残っている可能性があります。
どこで買う理由が届いていないかを確認します。
URLを送るだけで、2営業日以内に診断レポートをお送りします。
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※営業電話は一切いたしません。

まとめ

ECでは、広告運用とLP改善が一体のように語られることがあります。実際、どちらも必要な仕事です。

ただ、広告代理店が担うのは、読者をページへ連れてくる仕事です。ページを見た読者が買う理由を受け取れているかは、別で確認する必要があります。

広告費を増やす前に、ページ内で読者がどこで止まっているかを見る。そこが見えると、代理店を替えるべきなのか、広告設定を直すべきなのか、ページを直すべきなのかが判断しやすくなります。