直した。動かなかった。

広告費を使って集客した。アクセスは来ている。なのに、売上件数は増えない。

「ページのせいだ」とすぐに思い当たる。画像を差し替えた。商品説明を書き直した。競合のページを参考にレイアウトも変えた。それでもコンバージョン率は動かなかった。

施策を打つたびに、分析ツールの数字を確認する。変動は誤差レベルだ。次の手を考えるが、どこから手をつければいいかが見えない。

コンバージョン率が動かないのは、担当者の努力が足りないからではありません。
見た目を整えることと、ページを読んだ人が買う理由を受け取れることは、別の話です。

EC業界では長年、「商品ページは情報を増やし、見た目を整えることで購入率が上がる」という方向で語られてきました。制作会社も、モールの情報も、その流れで説明してきました。

だから、画像やデザインから手をつけるのは自然です。ただ、そのまま進めると、ページで買う理由が止まっている場所は見えないまま残ります。

情報は揃っている。選べない。

「情報が足りないから買わないのではないか」と考えるのは自然です。スペックを詳しく書いた。使い方の画像も増やした。よくある質問も追加した。

それでもコンバージョン率は変わらなかった。

情報が少なすぎると買いにくくなることはある。ただ、多くの場合、買わない理由は「情報が足りない」ではない。選択肢が多い中で「これを選ぶ理由」が見当たらないから、決められないまま離脱している。

情報量と購入の関係
多くの店舗が見ている場所
商品の機能・スペック・使い方を詳しく書けば、読者の疑問が解消されてコンバージョン率が上がると考える
実際に起きていること
読者は情報が足りなくて迷っているのではなく、似たような商品が並ぶ中で「なぜこれなのか」が見えないまま離脱している

ECモールでは、同じカテゴリの商品が横並びで表示される。読者はスペックを比べながら複数のページを行き来する。

その状態で情報だけを増やしても、読者の手元に残る「選ぶ理由」が生まれなければ、ページは比較対象のひとつとして処理されて終わる。

デザインの前に止まっている

「ページが素人っぽく見える」「競合に比べて古い印象だ」と感じるのも自然です。制作会社に依頼して、見栄えのよいページに作り直した。写真も撮り直した。

公開した。コンバージョン率は変わらなかった。

デザインの改修で変わること・残ること
デザイン改修で変わること
見た目の印象が整う。写真が美しくなる。スマートフォンで読みやすくなる。これらは見た目の問題を解消する作業として正しい
デザイン改修でも残ること
ページを読んだ人が「なぜこの商品を選ぶのか」を受け取れているかどうか。見た目が整っても、この場所が空白のままではコンバージョン率は動きにくい

デザインを整えることで数字が動く場面もある。それは、来た人がすでに買う理由をほぼ持っていて、あとは使いやすさだけが問題だったときだ。

しかしその状態でない場合、どれだけ見栄えを改善しても、コンバージョン率は誤差の範囲内でしか動かない。

A/Bテストを繰り返している場合。
ボタンの色を変え、バナーを差し替え、キャッチコピーを調整してA/Bテストを回すことがあります。これは今あるページの中でどちらが反応されやすいかを確認する作業として有用です。ただ、ページで買う理由が届いていない状態では、どちらのバリエーションが良いかを比べても、コンバージョン率は大きく変わりません。

価格でも、レビューでもなく

「競合より価格が高いから買われない」「レビュー数が足りないから信頼されない」という説明は、ECの現場でよく聞く。

価格とレビューが影響することはある。ただ、同じ価格・同じレビュー数でも、ページで買う理由が届いているかによってコンバージョン率は変わる。

価格を下げたのにコンバージョン率が上がらなかった、レビューを増やしたのに数字が動かなかった——という経験がある場合、止まっている場所は価格でもレビューでもない可能性が高い。

以下の状態が続いているなら、次の施策の前に今のページを見る必要があります。

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次の改善の前に

ECの現場では長年、「商品ページは見た目を整え、情報を増やし、レビューを集めることでコンバージョン率が上がる」という方向で語られてきました。制作会社も、コンサルも、モールの説明も、その流れで案内してきました。

だから、デザインと情報量から手をつけてしまうのは自然です。ただ、そのまま施策を重ねると、ページで買う理由が止まっている場所は見えないまま残ります。

コンバージョン率が動くかどうかは、見た目の品質や情報の量ではなく、ページを読んだ人が「この商品を選ぶ理由」を受け取れているかどうかで変わります。ただし、自社ページのどこで止まっているかは、記事だけでは判断できません。