真似た。再現できなかった。
「〇〇ツールを導入してコンバージョン率が1.5倍になった」という事例を読んだ。同じツールを導入した。数字は変わらなかった。
別の記事で「カゴ落ちポップアップが効いた」という事例を見た。実装した。わずかな変化しか起きなかった。
「次の事例を探せばいい施策があるはずだ」と考えて、また記事を読んでいる。
事例で語られる施策は、ページで来た人が購入に進める状態ができていたうえで機能したものです。
Webマーケティングの業界では長年、「コンバージョン率改善とは具体的な施策を実装することだ」という流れで語られてきました。LPOベンダーも、マーケティングメディアも、その方向で事例を提示してきました。
だから、事例を読んで同じ施策を試すのは自然です。ただ、そのまま進めると、ページで来た人が購入に進まない場所は見えないまま残ります。
部分を直しても全体は動かない
ヒートマップで離脱が多いセクションを見つけた。画像を差し替えた。キャッチコピーを少し変えた。コンバージョン率は誤差の範囲しか動かなかった。
「もっと細かく直すべきか」と考えて、マイクロコピーを変えた。フォントサイズを調整した。それでも変わらなかった。
ヒートマップは離脱している場所の位置を示します。ただ、なぜその場所で止まっているかは、ヒートマップだけでは分からない。部分を直し続けても、ページ全体で来た人が購入に進める状態になっているかどうかは別の場所から確認する必要があります。
ツールを入れる前に止まっている
EFO(入力フォームを整える)ツールを入れた。入力項目を減らした。フォームの完了率は少し上がった。サイト全体のコンバージョン率はほとんど変わらなかった。
フォームを短くすることは、フォームまで進んだ人の離脱を減らす作業として有効です。ただ、ページで来た人が「この商品でよさそうだ」と感じる理由が届いていない状態では、フォームに到達する人が少ないまま変わらない。フォームを改善しても全体のコンバージョン率への影響は限られます。
離脱防止ポップアップやチャットボットは、一定の場面では有効です。ただ、ページで来た人が購入に進む理由を受け取れていない状態では、ポップアップで引き止めても購入には繋がりにくくなります。ツールを追加する前に、今のページで来た人がどこで止まっているかを見ることが先になります。
事例の表面と、その裏にある話
コンバージョン率改善の事例で語られる施策——ボタンの変更、フォームの短縮、ポップアップの追加——はどれも「来た人が購入に進める状態の中で、最後の一手として機能した施策」だ。
事例には「なぜそのページで来た人が購入に進めているのか」という部分が語られないことが多い。表面の施策だけを真似ても、そのページで成立していた条件が自社では違うため、再現できない。
コンバージョン率が動くかどうかは、個々の施策の前に、ページを見た人が「この商品を選ぶ理由」を受け取れているかどうかで変わります。その状態ができていてから、個々の施策が効いてくる。
ただし、自社ページのどこで来た人が止まっているかは、商品や流入経路によって異なります。記事だけでは判断できません。
以下の状態が続いているなら、次の事例や施策を探す前に今のページを見る必要があります。
- 他社の成功事例を真似て施策を入れたが、自社では数字が変わらなかった
- ヒートマップで離脱箇所を直し続けているが、コンバージョン率が誤差の範囲しか動かない
- EFOやカゴ落ち対策を入れたが、サイト全体への影響がほとんどなかった
- 「次に何の施策を入れれば効くか」を探し続けているが、数字が積み上がらない
どこで止まっているかが分かれば、次に何を変えるかが決められます。
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次の具体例を探す前に
Webマーケティングの業界では長年、「コンバージョン率改善とは、ヒートマップで離脱箇所を見つけ、A/Bテストで改善を繰り返し、EFOやツールで対策することだ」という流れで語られてきました。LPOベンダーも、マーケティング支援会社も、ノウハウ記事も、その方向で説明してきました。
だから、事例を読んで施策を試すのは自然です。ただ、そのまま施策を重ねると、ページで来た人が購入に進まない場所は見えないまま残ります。
コンバージョン率が動くかどうかは、どの施策を入れるかよりも先に、ページを見た人が「この商品を選ぶ理由」を受け取れているかどうかで変わります。ただし、自社ページのどこで止まっているかは、記事だけでは判断できません。