流用した瞬間、読めなくなる

楽天で転換率が取れているLPがある。同じ商品をAmazonにも出品する。「同じLP画像を入れればいい」という判断で、楽天用に作った画像を分割してAmazonのA+コンテンツに入れた。Amazonの仕様に合わせて文字が入った画像を分割すると、各画像の文字が潰れて読みにくい。スマホで見ると情報の密度が崩れている。転換率はリスティング広告を出しても低いまま動かない。

「Amazonは楽天と全然違うから、Amazon専門の代行会社に依頼しよう」と考える。楽天コンサル、Amazonコンサル、Yahoo!コンサル、Makuakeのコンサル。どの専門家も、自分たちの媒体には独自の正解があると語る。依頼先は増える。費用も増える。作業も増える。それでも、転換率は揃って動かない。むしろ、どこに注力すべきかが見えにくくなる。

プラットフォームごとにLPの「形式」は変わる。
しかし、ページを見た人が何を受け取れば買う理由を持てるのか。その部分は、どのモールでも変わらない。

各モールの専門家が「自分たちのプラットフォームには独自の正解がある」と言うとき、仕様やUIの違いについては正確です。ただ、それはページの見せ方の話です。ページを見た人が、どこで買う理由を持つのか。その部分まで別物になるわけではない。ここが混ざると、「モールごとに全部別々に作らなければならない」と考えてしまう。

型を合わせた後に、変わらなかったもの

「楽天は縦長画像モリモリ」「Amazonは白抜き画像と箇条書き」「Makuakeはストーリーを語る」。各プラットフォームの型を学び、それに合わせてLPを作る。しかし型に合わせた後も、転換率は期待通りに動かない。

見当違いになっている場所
事業者が思っている問題
プラットフォームごとに客層や正解のLPの型(デザイン・長さ)が全く異なるため、それぞれを別々に専門家に最適化してもらう必要がある
実際の問題
画像の枚数・長さ・配置はプラットフォームごとに変わる。しかし、ページを見た人が買う理由を持つまでの順番は、モールをまたいでも共通して見なければならない。型を合わせることと、買う理由を届けることは別の作業

EC業界では長年、「モールごとに最適なLPの型がある」と語られてきました。各プラットフォームのコンサルも、モール特化の制作会社も、そう提案してきました。そう言われると、モールごとに別々の制作会社へ依頼したくなるのは自然です。あなたの判断が間違っていたのではありません。業界全体が、モールごとの違いを強調してきたからです。費用は増える。作業も増える。それでも、どのモールでも転換率は動かない。

各モールのコンサルが「うちのプラットフォームには独自の攻略法がある」と言うとき、それは事実の一部です。楽天SEOとAmazonのアルゴリズムは異なります。ただ、その違いは主に集客の話です。集客した後、ページに来た人がなぜ買うのか。ここには、プラットフォームが変わっても共通する部分がある。モールの違いとして語られている話の多くは、集客や仕様の話です。買う理由の作り方とは、分けて見る必要がある。

専門家がバラバラな理由

楽天コンサル、Amazonコンサル、Yahoo!コンサル、Makuakeのコンサルに相談すると、提案内容がバラバラになる。誰の意見を信じればいいか分からなくなる。けれど、これは正解がいくつもある状態ではない。

原因の履き違え
事業者が信じている原因
楽天コンサルはAmazonを知らない、AmazonコンサルはMakuakeを知らない——それぞれのプラットフォームに専門特化しているから言うことが違う。それぞれの専門家に従うしかない
実際の原因
各モールのコンサルは「そのプラットフォーム内でどう目立つか」「どう見せるか」を専門とする。ページを見た人が、どこで買う理由を持つのか。そこまで見ていないことが多いため、形式の違いばかりが主語になってバラバラに聞こえる

楽天コンサルは「楽天は縦長の画像が重要」と言い、Amazonコンサルは白背景画像と箇条書きを勧める。どちらも各プラットフォームの仕様としては正確です。ただ、それは画像をどう置くかの話です。その画像で読者に何を届けるかとは別の話です。専門家の言うことがバラバラに聞こえるのは、多くの場合、全員が形式の話をしているからです。ページを見た人がなぜ買うのか。そこまで見ていないことがある。

切り貼りが壊すもの

コストを抑えようとすると、作ったLPを各モールの仕様に合わせて「切り貼り」する発想に向かう。Makuakeで使ったLP画像を短縮して楽天に入れる。楽天用の長い画像を分割してAmazonのA+に入れる。しかし、各チャネルで転換率が下がる。

解決策の取り違え
市場が選んでいる解決策
1つのLPを作り、各モールの仕様(画像枚数・文字数制限)に合わせて切り貼りして短縮・分割することで、コストと手間を抑えながら多チャネルに対応する
残る問題
LPは、読者が買う理由を持つ順番で作られている。その順番を途中で切ったり、前半だけ削ったりすると、話のつながりが切れる。形式を合わせる前に、買う理由が届かなくなる

Makuake向けのLPは、まだ市場にない商品を見つけた読者が、価値を理解し、支援を決めるまでの順番で作られている。そのまま楽天に持ってくると、今すぐ解決策を探している読者には長すぎる。かといって短くすると、前半の納得が削れて、後半だけが残る。切り貼りはページの形を変える。しかし、読者に買う理由が届く順番は壊れる。

多チャネルで転換率が上がらない店舗に共通する3つの状態

モールごとの「仕様対応」に時間を使い、何を届けるかが後回しになっている

画像の枚数制限、文字数の上限、スマホ表示の確認。各モールの仕様に合わせる作業が積み重なる。その作業に時間を取られるうちに、「この商品を選ぶ理由をどう届けるか」が後回しになる。

仕様対応は必要です。ただ、その作業が主役になると、画像サイズだけが合っていく。文字数も収まる。スマホでも崩れない。それでも、買う理由は届いていない。どのモールでも形式には対応しているのに、転換率が低いまま残るのは、この状態です。

「Amazonはレビューと価格だけ」という前提でページを放置している

「Amazonはレビュー数と価格で勝負が決まるから、LPに手をかけても意味がない」と考えてページを放置する。一方で楽天では、ポイント変倍やクーポンバナーの更新を続ける。どちらも、ページを見た人が買う理由を持てるかどうかには触れていない状態です。

Amazonで価格とレビューが大きな影響を持つことは事実です。しかし、価格とレビューが近い競合が並ぶと、商品説明ページで何を伝えるかが差になる。楽天でポイント変倍を続けることも同じです。価格で集まった読者に、価格で応え続ける状態になる。どちらのチャネルでも、価格以外で選ばれる理由が手つかずのまま残る。

チャネルが増えるほど、どこに注力すべきかが見えなくなっている

楽天、Amazon、Yahoo!、Makuake、自社ECと展開チャネルが増えるにつれて、どこを優先して改善すればいいかが分からなくなる。各チャネルのコンサルが、それぞれの観点から改善提案を出す。そのたびに、リソースが分散する。

チャネルごとに別々の最適化を追い続けると、リソースは分散する。どこも中途半端に終わる。そのとき、どのチャネルでも必要になる「買う理由の届け方」は手つかずのままです。形式だけが、それぞれのチャネルで更新されていく。

以下の状態が続いているなら、先に確認すべき場所があります。

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どのチャネルでも転換率が動かないなら、先に確認すべきことがあります。
読者がどんな状態でページに来ているか。ページは、その読者に何を届けているか。
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まとめ

EC多チャネル展開の現場では長年、「プラットフォームごとに客層もLPの正解も違う」と語られてきました。各モールのコンサルも、モール特化の制作会社も、そう提案してきました。そう聞けば、各チャネルを別々に最適化したくなるのは自然です。しかし、そのまま進めると、費用と手間だけが増える。どのチャネルでも転換率が上がらない。どこに注力すべきかも分からない。その結果、費用と手間だけが増え、どこを直せばいいかが見えにくくなります。

各プラットフォームの形式は異なる。画像の枚数、長さ、仕様は変わる。けれど、ページを見た人が買う理由を持つまでの順番は、どのモールでも見なければならない。先に必要なのは、その順番を作ることです。その後で、各モールの仕様に合わせて形を変える。順番が逆になる限り、どのチャネルでも買う理由が届かないまま残る。